Short-lived melodyー泡沫の旋律ー
“自分”というオルゴールは、ゆっくりと音色を刻んでる。
誰一人、同じメロディーは無い。
伴奏は鉄琴がいい――
ネジをまく。
時が動き出す。
透き通った音色は複雑に、メロディーは乱雑に。
だけど淡くて儚くて。
壊れそう、でも強くて。
音を止めたくなる。
止めたくなくて、止まった音色は形だけ残して埃を被っていた。
存在していた証――
メロディーは奏でるよ。
加速する旋律。
大切な事を拾い集めるんだ。
振り向けば、過去のメロディーは白黒――
思い返せば輝いた。
やがて……
泡沫の旋律へと変わる。
メロディーは途切れながら、ピリオドを打つ。
*END*