最終話:虹の光が結ぶもの
光を取り戻した星晶が、塔の中央で静かに輝いていた。
カノンとアルネアは見つめ合い、そっとその表面に手を伸ばす。
――ふわり、と虹色の光がふたりを包み込んだ。
「……温かい……。」
「キュー……(カノン……すき……)」
その様子を見て、サリウスが微笑み、ヴァルと共に手を添える。
ディルもリューネリアと指先を重ね、ニールはフェリアの手を強く握る。
虹色の光が次々と広がり、仲間たちを包み込んでいった。
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「……カノンと行かなくてもいいの?」
吟遊詩人が、少しだけ遠慮がちにアリアへと問いかける。
アリアは鼻をならして、しっぽをひと振りした。
「きゅるっ!(言ったでしょ。あんたは二番目よ。)」
「え?」
「きゅるるっ!(二番目に好きってこと!)」
吟遊詩人は目を丸くしたが、すぐに笑顔になった。
「……なら、二番目でも十分だ。」
アリアはにこっと笑い、翼を広げて彼の肩に飛び乗る。
「きゅるっ!(じゃあ、一緒に行くわよ!)」
二人もまた、虹色の光の中へ飛び込んでいった。
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光は強く、やさしく、そして暖かく――。
アルネアの小さな体が再び少女の姿へと変わり、
彼女はそのままカノンへ抱きついた。
「カノン……!」
「……アルネア……!」
サリウスの前に立つヴァルもまた、青年のような姿となり、膝をついて胸に手を当てる。
「――この命、この力、すべてを貴殿に。」
リューネリアは人の姿を得て、ディルを優しく抱き締めた。
「ディル……ありがとう……。」
「……母ちゃんじゃないって言ったろ……。」
「ええ、相棒よ。」
フェリアはくるりと回って、ニールの腕にしがみつく。
「約束通り……結婚してあげる!」
「えぇぇっ!?い、今!?ここで!?」
「文句ある?」
アリアは人の姿になっても、その瞳はいたずらっぽく輝いていた。
カノンに抱きつきながらも、吟遊詩人へと笑顔を向ける。
「あんたのことも、ちゃんと好きよ。」
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虹の光が収まったあと、
そこには新たな形で、そして確かな絆で結ばれた仲間たちが立っていた。
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長い旅の後、久しぶりに村へ帰ると――
「お、おばあちゃん……!?」
「ふふふ、照れるねぇ。」
元ゴーレムとなった大きな体が、おばあちゃんをお姫様抱っこしている。
その顔は、かつて土と泥でできていたのが信じられないほど優しくなっていた。
村の端では、お父さんとお母さんの相棒たちが寄り添い、ラブラブな視線を交わしながら、ふたりと一緒に笑っていた。
「……ただいま。」
俺は思わず呟き、隣にいるアルネアを抱きしめた。
「おかえり、カノン!」
虹色の空の下、笑顔と笑い声が村を包む。
――こうして、カノンとアルネア、仲間たちの物語は一旦の終わりを迎えた。
だが、絆がある限り、この世界での新たな冒険はきっと続いていく。




