発見!
...おいしいとはお世辞にもいえなかった。
ぎりぎり食べれてはいるが、ほとんど拷問のようなものだった。やはり、日本は恵まれているな。
「どうだった?」
「正直そんなに美味しくはなかった」
「そう?僕は普通に食べれたんだけどな」
こいつすごいな。
「これからどうする?」
「そうだねー、一回寝ようか。なんかあったらそれはそれで」
「...まだそんなに眠くなくない?」
「そう?君は気絶してたからそう思ってるだけじゃない?」
「そうかなー?まあ、とりあえず寝るか」
「おやすみー」
「うん、おやすみ」
思ったよりも簡単に寝れた。
起きたときに最初に思ったのがこれである。
あと、お腹すいた。
「ともー、おはよー」
返事が来ない。とっくに起きてどっかに行っているらしい。
「あいつはやいな...」
周りを見渡して探すことにした。
「あ、おーい!!」
お、ふりかえしてくれた。
「あ。おきたー?なんか食べれそうな動物いたから狩って切ってきた。食べようか」
「え?すご。ありがと!」
「いいって。よし、焼くか」
機能と同じ手順で焼いて食べた。思ったよりも美味しかった。
「こっからどうする?」
「川に沿って歩けば?」
「それいいな、そうしよう」
何キロ歩いただろうか。なにかが出てきた。
「あれ、人工物じゃない?」
「本当だ!」
「良かった、この世界に人は生きてたぜ」
この人工物は家のようだった。
「人は...住んでいなそうだな?」
「というか、こっちの人って話通じるの?」
「たしかに、まあ通じるんじゃないかな?」
「あ。あっちに街らしきものがないか?」
「ほんとだ!」
今度こそあるだろう。
「やったー!本当に街っぽいぞ!」
「良かったね、じゃあここでお別れかな?」
「え?あ、そうか。じゃあな...」
「それじゃあ、じゃあねー」
あいつは走っていった。ほんの少しだけ寂しい。まあ、しょうがない。出会いもあれば別れもあるんだよ。
そう思いながらも、足は重かった。