第8話 世界への第一歩 おそと編
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今日はベビーカーで近くの公園へ行くそうだ。
公園デビューというやつか。
近所の奥様方や、ぼっちゃん、お嬢ちゃんと仲良くせねば!
ママンのヒエラルキーがわからないから、とにかく足を引っ張らないように気をつけよう。
たしか、うちは中級家庭だったな。
俺もの魔力も中級だしな。
中級スマイルの練習をしておかなければ!
中級スマイルってなんだ!?
まぁ、いいや。
俺赤ちゃんだし、自由にしとこ。
「おはようございます。ブロンコ様。いい天気ですね。先日は主人がお世話になりました」
おっと、様付けで呼んでいる。
上級家庭様のおでましか。
中級スマイルの登場だ!
へりくだったような顔をしておこう。
「あら、ごきげんよう。こちらこそお世話になりました。マナ抽出のノルマ達成にご貢献いただいたそうですね」
「いえいえ、とんでもない。ブロンコ様には、いつもよくしていただいているお陰で、気持ちよく働けていると主人から聞いてます」
マナ抽出?あぁ、パパンの勤務先がたしかそんな名前だったな。
「ありがとうございます。主人にも伝えておきますね。そういえば、先日のマナ暴走未遂の話は聞かれましたか?」
「いいえ、聞いておりません。なにかあったのですか?」
「いえ、どうやら、計測器の故障だったらしいのですが、とんでもない量のマナが消費されたのではないかという測定結果がでたらしいですわよ?」
「そんなことがあったのですね。主人からは聞いておりませんが、それはひょっとして、ブロンコ様がご解決なされたのですか?」
「いえ、主人は報告を受けただけで、計測器の確認はご主人のアルデウス様がされたそうですよ?」
おっと、やっと家名を知ることができた。そうか、俺はライラック・アルデウスか。
悪く無いな。
やっぱ、家の中に居てるだけだと家名を使わないから知るのが遅くなってしまったな。
「そうだったんですね。うちの主人は何も教えてくれませんね。後でイヤミの一つでも言っておきます。教えて下さってありがとうございます」
「お気になさらないで下さいね。きっと大したことではなかったのでしょう。そちらのお坊ちゃんのお名前を伺ってもよらしいですか?」
「これは遅くなりました。ライラックと申します。お見知り置きを。」
「すてきなお名前ですね。うちの子とも仲良くしてくださいね。」
「ええ、もちろんです。学年はうちの子がひとつ下ですね。また、学校でもお世話になるでしょうね。よろしくお願いいたします」
「それでは失礼しますね」
その後、他の中級家庭や下級家庭の奥様方と顔見せ程度の会話をして、家路についた。
道中、ママンが「疲れたぁ」とぼやいていたのは聞かなかったことにしよう。
どうやら、改まった話し方をすることが疲れたらしい。
たしかに、普段のママンとは雰囲気が違ったな。
肩の凝る思いをしたのだろう。
家に帰ってからはグズらないようにしよう。
箸休めの回でした。
ここまで呼んでくださって、ありがとうございました。
フラグは一本だけなので、そこまでストーリーに影響はありません。
しかし、公園デビューという記念日でもありますので、ライラック的には大きなイベントですね。
赤ちゃんのときの記憶なんてたれもありませんもんね。
次回はドライブデビューです。今回のフラグ回収と、アネモネの秘密について触れる予定です。