六話 二回目のボス討伐と、ワープ機能
「さぁ、今日もダンジョンに潜るか」
検証を兼ねて一旦家に帰った俺は、そのまま死んだように眠り、起きたときには12時になっていた。なお、検証の結果だが、ダンジョンで入手したものは、外に持っていけるということがわかった。ダンジョンに放置していると消える予感もするので、一旦は家の見つからないような場所に隠しておくことにした。
一応、まだ装備品しか持っていないし、俺がダンジョンを攻略している時に部屋を荒らされてダンジョンさんの物品が見つかる、ってことはないと思うが。
まぁ、そんなことはおいておいて、今日はダンジョン6階層からの攻略だ。わざわざ5階層も降りないといけないのは面倒だが、大体の道は覚えてるから…1時間ぐらいでつくかな。
〜1時間半後〜
予定より少し時間がかかってしまったが、5階層まで降りてくることができた。後は、もう一度ボスを倒して、進むだけだ。あのメタルスライムは、ボスなだけあっていい経験値になるからな。
そう考えつつも、重いドアを開け、前回と同じ方法でメタルスライムを倒し、出てきた階段を降りる。だが、二度目の討伐だからか、経験値はあっても報酬はなかった。
「6階層に降りてきたが…相変わらず、遺跡っぽいところなんだな。敵は…スケルトンか。」
スケルトンの体には、人間で言う、心臓ら辺に小さな石が見える。おそらく、スライムと同じ感じで、コアを破壊しないと倒せないのだろう。
相手は、スライムよりも少し早い程度で、まだまだ遅い。例えるなら…ゾウガメかな。とにかく、待っているのも面倒くさいので、ダッシュで近づき、小さな石を狙ってぶん殴る。
パキン!
骨ということもあって、身体自体は脆いようだ。一瞬で小さな石を破壊することができた。これなら、このエリアも楽そうだな。経験値もそんなになさそうだし、突っ走るか。
〜2時間後〜
3階層進んで、現在は9階層をさまよっていた。だが、ここだけ無駄に広いし、スケルトンも少しだが固くなった。おかげで、この階層だけで一時間もさまよっている。
カタカタ…
…またスケルトンだ。こいつら、倒しても経験値少ねぇから、あんまり美味しくないんだよな。そう考えつつも、一瞬でコアを破壊し、スケルトンを灰へと変える。
その後も進み続けて約30分後、やっと階段が見つかり、10階層に降りることができた。降りた先には、巨大なドア。どうやら、5階層ごとにボスが居るらしい。
とにかく、さっさと倒して家に帰りたい。そう思いつつも、俺は今日二度目となる、重いドアを開けた。その先にいたのは…
心臓部だけを保護する軽いアーマーを着て、盾、剣を持ったスケルトンだった。
「…あんまし強くなさそうだな…というか、その装備あんまし意味ないだろ」
そうつぶやき、スケルトンに急接近。普通のスケルトンでは反応できない速度だ。だが。
ガンッ!
盾で防がれた。衝撃軽減があるから、俺の手が痛くなるということはない。だが、これは少し厄介そうだ。振り下ろされた剣をガントレットで受け止めつつもそう考え、一旦下がる。
「雷魔法、雷矢」
試しに、適当な魔法を撃って牽制し、その隙きを突いて、もう一度接近。攻撃を仕掛けるも、両方とも盾で防がれ、反撃を返される。俺が最初に思ったよりも、遥かに厄介そうだ。
…どうするか。接近してくる様子もないスケルトンはこちらを見て、なんとか攻撃を当てようとしているようだ。…もう、いつものカウンター方式で行くか。
「おい、どうした。俺は考え事までしてるんだぞ?なんで襲ってこない。」
適当な挑発だが、そんなのでもスケルトンは乗ってくれたようだ。こちらへと襲いかかってきた。
その攻撃は単調で、かなり大振りな振り下ろしをしてくる。だが、剣は石畳に突き刺さり、取れなくなってしまう。振り下ろしを右斜め前に向かって避け、隙だらけの横っ腹から核へと向かって、反撃を加える。
パキン!
という音がして、敵のスケルトンの核が壊れ、スケルトンの体が灰となった。意外と手強い敵だったな。
〈告、ボスの討伐を確認しました。報酬が付与され、月城柊羽は、すでに行った階層へのワープができるようになりました。〉
お、便利だな。とりあえず、討伐報酬だけもらって帰るとしようか。
楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字等があれば、報告をお願いします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いが会ったりするので。