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第十二話 進化、そして別れ

引越し作業で忙しく、書くことができませんでした。申し訳ありません…できれば、明日も投稿します。できなくても、完成しなかったんだと思って、温かい目で見てください。

…目が覚めたとき、目の前には驚いたようなランデルの顔。


「何かあったのか?驚いたような顔して。」


「イヤ、オマエハナントモナイノカ?」


「特になんともないが…なんか変なことでもあるのか?」


「アタマヲサワッテミロ。オマエハモウ、ヒトデハナイゾ」


「何を言って…」


そう言いつつ、俺は頭から額へと手を伸ばす。そうして、手に触れたのは、固く、尖った角のようなもの。元人間の俺に、こんな物があるはずはない。…そういえば、鬼人へと進化しますとかなんとか………


「何が起こってんだ?鬼人とやらに進化したのか?」


「キジン?オマエ、キジンニシンカシタノカ!?」


「あ、あぁ、そうらしいが…そんなにおかしいことなのか?」


「オカシイ。フツウハ、オレミタイニナルモノダ」


「やっぱり…元は人間か。全然モンスターっぽくないとは思っていたが。」


「アァ、ダガ、イマハドウデモイイ。ヤットコノオレヲコロセソウナモノニデアエタノダ。サァ、サイゴノタタカイヲハジメヨウジャナイカ」


「…一つだけ、聞かせてくれ。お前は、どうしてそんなに死にたがる?」


「…オレヲタオセタラオシエテヤルトイッタダロウ?」


「ハハッ、そう言えばそうだったな。じゃあ、お前を倒して聞き出すとするか。」


そうして、また距離を取る。これが、本当に最初で最後の戦いだ。もう一度、気を引き締めていこう。


そう思った瞬間、何故か頭が急速に冷える気がした。


そして、戦闘開始した直後。なんの魔法も使ってない俺の拳がランデルの腹にめり込んだ。


「…ガハッ」


今まで俺に殴られても全く聞いている素振りがなかったのに、何故か反応がでかい。そこで、試しにHPを確認してみたら、なんと200も減っていた。


「サスガキジンダナ。ダガ、マサカココマデツヨイトハ…。ダガ、オレモマダゼンリョクヲダシテイナイゾ?マホウブソウ、ハツドウ」


そうして、これまでに何回見たのかもわからない水色の装備をランデルが装着し、いつもの連打を繰り出す。それに間に合うことができず、俺は攻撃を食らってしまうが…


「ヤハリ…キカナイカ…」


…減ったHPはたったの20ここまでステータスを一切見ずに戦ってきたが、どんぐらい強くなったんだ?後でステータスを見るのが楽しみだ。


「まさかお前の言ったことが本当になるとはな!人生何があるかわからないもんだ!」


「アァ…オレモジョウダンノツモリダッタノダガナ……ダガ、コレデヤット、オレモアヤマルコトガデキル」


「…前になんかやらかしでもしたのか?」


「…ソウダナ。モウオマエニカテソウニモナイシ、オシエテヤロウ。オレハ、ムカシ、トアルクニノキシダッタ」


そうして、ランデルの思い出話が始まった。長いし、声も聞き取りづらいので、ここでは俺が翻訳しよう。


騎士だったランデルは、下級騎士で給料も少なく、子供も多かったために貧乏で、なんとか生活をしていたそうだ。そこに、報酬がかなり高額な治験の仕事が街に張り出してあった。その額は、日本円に換算してだいたい5000万円ほど。これだけあれば、しばらくは家族に贅沢をさせてあげることができると思ったランデルは、これに飛びついたらしい。


だが、これはこの国を転覆させる計画の一端だった。治験の時に渡された薬には、人を化け物に変えてしまう、他種族の『血』が含まれていた。だが、適合ができず、ハイ・オーガへとなってしまったそう。そこから先は覚えていないが、気付いたときには、破壊し尽くされた王都と、ランデルの家族の死体が目の前にあったそう。


これが、ランデルの過去。自分の軽はずみな判断で人や家族を殺し、更には王都まで破壊してしまったことにものすごい罪悪感を抱いているらしい。なお、その後王国は滅亡。避難されていたランデルは、ここのダンジョンマスターに勧誘され、ダンジョンのボスとして働いていたそう。


「コロシタクナイナドト、アマイコトヲカンガエルナヨ?オレノツミハ、オレガシヌコトデシカケスコトガデキンノダ」


「…そうかよ。まぁ、お前がそう思ってんなら仕方ねぇか。それじゃ、再開しようぜ。お前も早めに死にたいんだろ?俺も、抵抗しないやつを殺すのは気が引けるんだわ。それと、いい忘れていたが、俺の名前は柊羽という。」


「ナマエヲイウノガオソスギナイカ?…マァイイ。ワカッタ。ダガ、オマエトゴカクニタタカウミコミナドマッタクナイゾ?」


「別にいいよ。俺もそんなに力出さないしな。戦うことに意味があるんだよ。」


そうして、最後の戦いが始まるが…、結果は圧倒的だった。


ランデルの攻撃は殆ど躱せたし、力を抑えていても、攻撃はランデルにかなり通る。1分後には、すべての決着がついていた。


「じゃあな、ランデル。楽しかったよ。もし来世というもんがあるのなら、そこで会おうぜ」


「アァ、アンナコトヲシタオレガ、テンセイスルコトヲ、カミニユルサレルトハオモワナイガナ。」


「死ぬことで罪は浄化されるんじゃなかったのか?」


「シンデ、カミニユルサレルコトデツミガジョウカサレルンダ。ジョウシキダロウ?」


…どっかの宗教の信者か?…いやでも、こいつが言ってた王国って、聞いたことない国だったな。確か…ヴィルトゥエル王国だったか?


過去にあった国なのかと思っていたが……後で調べて見るか。


「そうか。それなら別にいい。俺に関係ないことではあるしな」


「ソレジャアナ、サイゴニオマエニアエテヨカッタ」


「そりゃ、良かった。俺も、お前に逢えてよかったよ」


それを言った瞬間、ランデルは光の粒子となって消えた。そして残ったのは一つの宝箱。中にはこんなものが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名称:青氷大鬼の篭手〈ランク0〉

説明:アイス・ハイ・オーガが生前つけていた魔法の武器。着用することで、使用者は『氷魔法』と『魔法武装・氷』が使えるようになる。また、敵を倒すことで経験値がたまり、この装備は強化される。ユニーク装備。

効果:STR+5、VIT+3、AGI+5、破壊不可

蓄積経験値量:0(次のランクまであと500)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…こんな装備があるのか。ユニークと書いてあるし、レア度なんかもあるのかな?とにかく、今日はモウ疲れたし、帰るか。


…ランデル、いいやつだったな。

楽しんでいただけたでしょうか。誤字脱字があった場合は、指摘をお願いします。極力ないようにしていますが、自分でも気づかない間違いがあったりしますので。

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