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回想1

遡ること2日前、我が家、善光寺一家はお盆休みを利用して九州の実家へ帰省旅行の準備をしていた、飛行機も新幹線ももちろん良いのだが我が家の移動手段と言ったら専ら車、それも俗に言うキャンピングカーと呼ばれる寝泊まりの出来る車を使う、何故かって?それは我が家はたぶんマイペースな一家だからだろう、テレビで見た景色を気のままに日帰り旅行で行ったり、旅行プランをたてても気になる場所を見つけると途中で予定を変更してホテルへたどり着けなかったりと、とにかく縛られるのが嫌いな一家なのだ

そうなってくると、宿泊施設を探すのだって一苦労するし予約をしてても変更の連絡をしなきゃいけない。ならいっそのこと宿泊できる車が一番便利に思えて気がついたらキャンピングカーを使うようになっていた。最初は妻の深雪も「◯◯◯万もする車なんて勝手に買って!!」と鬼の形相だったけど一年も経たない内にどうやらお気に入りなったようだ。今じゃ何処に行くにも「ゼロ君で出掛けるわよ」だとさ

ちなみにゼロ君とはキャンピングカーの愛称である、車名から文字ったらしい


「ゼロ君に荷物載せてー」


妻からの呼び出しがきた、妻はいわゆる普通の女性…

えっ?説明になってない?だって照れるじゃないか、黒髪のセミロング、身長は160位で美人じゃないがなんかかわいいと言う言葉が似合う女性、いまだにぬいぐるみで一人二役の遊びをしているのは内緒だ

今回の帰省旅行は1週間位を予定している、さらに子供3人ももちろん一緒、一度先に飛行機で行かせたことも有ったが飛行機は嫌いらしい。耳鳴りとか離着陸が苦手だと言う事だ、なので荷物が多い


「これ全部載せるのか?」


「当たり前でしょ5人分よ、ゼロ君なら収納余裕でしょ♪」


「はいはい」


私よりも収納力を知り尽くしている妻、これはここ、あれはそこ、と指示を出してくる

(自分でやればいいのに)

愚痴も出るというものだ、収納が終わり最終チェックをしていると子供達がやって来た

長男の幌影(ほかげ)、黒髪のショートカット、身長は妻とほとんど変わらないやや中二病っぽい中学生、イケメン?らしく意外と人気があるらしい

その後ろを次男の日向(ひなた)が付いてくる、坊主頭のちっとふくよかな体、顔はまぁ、平たく言えば大仏様に良く似ている、寝ている時によく額に落書きをして妻と笑っていたら拗ねられたものだ。

さらに少し離れて末っ子がくまのぬいぐるみを抱きしめついてくる、我が家のアイドル(みゆ)ちゃん、妻に似て可愛い、肩より少し伸ばした黒髪はママのようになりたいから絶賛伸ばし中とのこと、くりっとした瞳とほんのり赤みを帯びた頬っぺ思わずすりすりしたくなる


「父ちゃん、もう出発?」


「いや、後は食べ物を積み込んで終わりだ」


「えぇー、そんなのコンビニで買えばいいじゃん!キャンプじゃないんだし」


「ばか野郎、有って困るような事は無いぞ、立ち往生したり、災害に合わないとも限らんしな!」


「出た、備え有ればなんとか論、終わったら呼びに来ってねー」


幌影(ほかげ)の捨て台詞を残し子供達は家の中へと戻って行った、「何が備え有ればなんとか論だ」気ままに旅行を楽しむなら保存食は必須だぞ

最近なんてレトルトをチンするだけで無茶苦茶美味しい食品が山のように有るし、食べ盛りの子供3人の食費はバカにならないのだ

コンビニも好きなものを売ってるとも限らないしな


「いつもの保存食セット玄関に置いとくわよー、お菓子増やしたけどね」


「あいよ!」


さて、服に保存食も準備OK!燃料も充電も問題無し、さて出掛けるとしますか


「おーい、準備できたぞー、車に乗りなさい」


「ちょっと待って、スイチー持って来るから」


「ゲーム機なんか要らんだろ」


「父ちゃんだってスマホにAIウォッチ持ってるじゃん、ゲームしてるの知ってんだからね」


ドタドタと二階から反論してくる幌影、うーん反抗期か息子は


「くまお、いい?」


末っ子の長女がぬいぐるみを抱えて訪ねてきた、次男の日向は毛布を持って車にそのまま乗り込んだ


「良いよ車に乗って」


「はーい♪」


「幌影!まだか!」


「もう!後靴下履くだけだし急かさんといて」


あわてて乗り込んだ幌影を確認して妻が戸締まりをして最後に出てきた。


「戸締まり大丈夫!玄関のカギ確認よし!良いわよ」


最後に深雪が助手席に乗り込みさぁ旅行のスタートだ、片道約1000kmの長丁場最初は中国地方までノンストップで行くかな!



交通量の多い都市高速を抜け山陽道に入り走行車両もまばらになった頃しばらくしてラジオから


「九州地方中部阿蘇付近にて震度3の地震を観測、なおこの地震による津波の心配は有りません、引き継ぎ…」


「ねぇ、地震よ大丈夫かしら」


「まぁ阿蘇だし大丈夫じゃないか?元々活火山だから地震多いし」


「そぉ?なら良いけれど」


「とりあえずSAによって車泊の準備と晩御飯しょうか」


「やった!ご飯!」


子供達がテンションをあげ晩御飯なんにしようと話し合う家族一同、この時はまだ楽しい帰省旅行を満喫していた、明日予想もしない出来事に遭遇するとは夢にも思っていなかった

後1話続きます

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