虹 / 虹さん
『虹』
あなたとわたしに
金箔の朝
虹が架かる
今は
西瓜とアイスクリーム色で
こんなにも
はっきりと愛の約束を繋いでくれている
もう
あいまいに話すことは
やめることにしたよ
けれども
夢のコトバが完成してからじゃないと
話せないこともあるんだ…
悲しみの仮面と薔薇は
さっき
果てしない宇宙に
明け渡したところだよ…
わたしはこれから先何があっても
決して後ろは振り向かない
おおばかものになって
ひたすら前を向いて
翔ぶ
それから
ひたすら前を向いて
翔ぶ
『虹さん』
あなたは何色?
わたしは虹色
だいたい七色で出来ているんだ
雨さんや雲さん、太陽さんらと
大の仲良し
いつも話しをしていて
みんなで
いつわたしの出番になるのかを
慎重に慎重に
それから
たらふくなよろこびを持って
決めているんだ
太陽さんにはいつもこう言われるよ。
「あなたには大事なお役目があるんだから、そうやすやすと、出てもらっては困るんだよ。」
雨さんにはこう言われることが多い。
「ぼくはあなたの華やかさには、かなわないから、それが、いいんだよね。ぼくの誠実とその潤いをあなたは満たしてくれる」
雲さんからは、いつもこのように、決めつけられているんだ。
「きみは、表方。わたしは、裏方」
風さんには不思議なことを時々言われる。
「盗まれるものは、全部くれてやればいいのさ。いくら盗もうとしたって、盗めないものも、あるのだから。やったらやっただけで、必ず、成果が得られる世界なんだよ」
月さんとはこんな感じ。
「あら、虹さん。ご機嫌いかが。わたしと少しの間だけ、一緒に、ダンスを踊らない?」
「是非、ご一緒に。七色の音楽を奏でながら、なんちゃって」
そんなわたしにも
憧れがあるんだ
わたしは・ね
ただ一色になりたいんだ
何にも
染まることがない
ただ一色に
それで
時々この憧れが
成就することもある
それは・ね
だれかの一つ粒の涙のなかで
わたしが星のパレードように映っているとき
そういう
時にね、わたしはわたしが
存在している理由みたいなものを
震えるほど体験して
涙、涙は、ただ流れてしまう
この涙を
誰にも気付かれないように
流しているんだよ
実は…ね
本当のことはね
みんなの前に
出ているときは
その涙が形を変えて
実現しているときなんだ
これは
あなたとわたしの内緒だよ
他の誰にも言わないでね




