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私と兄の逃亡計画4

あれから8年長く苦しい日々を過ごした。

私とクリスは15歳になった。私はこの8年間の戦争で沢山の人を殺してきた。時には街を落とすために女性や子どもなども…。

私とクリスは5歳のまま時が止まっている。


この8年の間に変わったことといえば、逃亡計画はあとは舞台が揃えばいつでも決行できる段階に入ったことと。

私の淑女の仮面が猫になったということだろうか。貼り付けの笑顔を常中させる仮面と違い、バリエーションに富んだ笑顔と会話術、仕草が可能になった。



現在、帝国と竜王国・エルフの国との戦争が始まろうとしている。



「クリス。やっと…やっと舞台が揃ったね」


「うん…。長かったね。鎖を断ち切る方法が見つかって、エルフの協力者達と出会って8年間。この戦争で全てが完成するよ」


私はクリスと抱き合い暫しの別れを惜しんだ。


「じゃあ行ってくるね」


「うん。また後で」


私は戦場へ向かった。






ーーーーーーーーーー






戦場は竜人の独壇場で、帝国の兵士は数で何とかもっている状態だった。上の命令で無駄死にするのは兵士だ。だから竜人は命を任せられような奴にしかついて行かねぇ。



今回の戦争は勝つことが目的ではなく、ある人物の奪還が目的だそうだ。詳しい事は上層部しか知らねぇが、この混乱に乗じて接触するらしい。



だから俺たちは派手に戦いかつ、時間をかける事が任務だ。



今回の戦争には公爵家の嫡男らも参加しているらしい。疲弊した人間との戦い程度で死ぬことはないからな。経験を積ませようとしたんだろう。


そう。危険なんてないはずなんだ。たかが人間、何人か人外級の奴は居るが、それもそう多くない。

簡単な仕事。……そのはずだった。



あの美しい#天使__悪魔__#が来るまでは。



そいつは突然空から現れた。そいつはとにかく小さくて、輝いていた。この血と泥まみれの戦場の中で、キラキラと。だから天使だと思った。だが現実は…



悪魔だった



とんでもねぇ奴だった!大魔法をバンバン打つわ、竜人すらもぶっ飛ばす剣技、甲冑を付け顔は見れないが5歳そこらの子供が!!何の躊躇いもなく、敵を倒していく。後方支援のエルフの【絶対防御】が無かったら……考えただけで怖ぇ。


何あの人間。竜人より竜人やってるわー。ぜってぇ顔に角とか生えてんぜ、あと歯とかギザギザの目がつり上がってるね。


とか馬鹿なこと考えながら俺は今その天使(いやもう悪魔と呼ぼう)。悪魔と絶賛交戦中だ。何この子俺と普通に剣を交わせちゃってんだけど。俺これでも上位に入る実力者ですけど!?やだ自信なくすわー。


まぁ流石に多対一だと厳しいようで、俺の剣が奴の兜を吹っ飛ばした。



女の子だった



この世のものとは思えないほど整った顔。幼い中にも色香や勇ましさ、強い生への執着を感じさせる意志の強い瞳、それが彼女が人形ではなく生きている事を証明していた。


結んであった長い銀髪は解け、風になびいて美しい。長いまつ毛に縁取られた紫水晶は1級品の宝石の様で、こちらを見つめている。そして彼女の耳は




長く尖っていた




そして俺はある事件を思い出した。


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