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066.皆で一緒にお食事タイム

 屋台がいっぱいある関係か、道の途中にある広場にはテーブルと椅子がたくさん並んでた。ある意味屋外フードコートだな、これ。

 あちこちでいろんなものを買ってきたみんなが集まって、ここで一休みすることになった。


「いただきまーす」

「いただきます」


 飯前の挨拶にあまり細かい指定はないので、普通に食事が始まる。精気吸うのも俺にとっては食事だから、同じ挨拶でも問題ねえよな。うん。


「うん、普通に美味いや」


 海王の足は、食ってみたらちゃんとタコの足だった。やっぱり醤油系のタレぶっかけて焼いてあるみたいで、香ばしさがたまらねえな。ネレイデシアには悪いけど、好物になった。

 同じサラダを二つ買ってきたアムレクとミンミカが、ぽりぽりぱりぱりといい音を立てながら食っている。しゃきっと新鮮な野菜みたいで、問題ないようだな。ちょっとホッとした。


「コータちゃま、このサラダおいしいですよー」


 そんなことを言ってきたミンミカの顔がめっちゃうまーい幸せーな表情になってるので、ウサギの舌と俺の舌の味覚が違うのかどうかの確認も含めて聞いてみるか。


「ん、どんなサラダ?」

「にんじんとまめ、さんじゅっしゅるいのおやさいもりもりサラダ、です」

「三十種類か。いろんなの入ってて、食いでがありそうだな」

「まめはゆでてあるですから、やわらかくてぽくぽくですよー」


 なんて言いつつはいあーん、とばかりに差し出されてきた豆、そら豆っぽいんだが直径多分五センチくらいあるんだが。木の楊枝でぶっ刺して差し出されたそれを、俺はひとまず食ってみる。


「んむ、む、ん、甘い」

「はい、あまいですー」

「はむ、はむ、うまいっ」


 おお、サツマイモくらいに甘いぞ、この豆。固さは芋よりは少し固いけど、十分柔らかくてうまい。ドレッシングの類はかかってないから、純粋に豆の味がいいってことか。

 はあ、特に味覚に問題はなさそうだ。よしよし。あとアムレク、夢中になって器に顔突っ込むレベルでかき込むなよな。

 さて、肉食系はというと、


「シーラ、それうまい?」

「んむ、はい」


 小鳥の丸焼きをむしゃむしゃと食っているシーラに尋ねてみる。雀よりは大きいサイズの鳥がまるっと一羽、串にぶっすりと刺されてまるごと炭火焼き。さっき屋台をちらっと見たけど、タレと塩があるらしい。シーラが選んだのは塩、の方だった。


「骨までしっかりと火が通っていて、足の先まで残さずいただけます」

「ああ……足まで食うの?」

「丸焼きですので」

「ああ、マジで丸焼き」


 丸ごと焼く、というよりはまるごと焼いて食う、だから丸焼きという認識なのかね、シーラは。あ、口の端から見えてるの、あれ足の指か。ガチで食ってるな。

 いや、しっかり食うのはいいことだ。それに、食う前提で向こうも売ってるわけだしな……なんて思ってたら、不意に出てきた彼女の一言で吹き出しかけた。


「本来ならば砂漠トカゲの黒焼きが好きなのですが、ここは海のそばなのでなくて」

「ぶふっ」


 いやシーラ、トカゲのが好きなのか。まあ、人様の好みをどうこう言うわけじゃないけどさ。

 けれどそうか、地方によって売ってるものも違うよな。当然のことだけど。そっか、砂漠に近いところに行ったら、トカゲの黒焼き食わせてやっか。


「いかがなさいました? コータちゃん」

「種族によって食べるものが違いますから、興味深いのでしょう」


 ……お茶すすりながら焼きまんじゅうをもぐもぐ食べているファルンと、焼きとうもろこしをむしゃむしゃ食っているカーライル。

 お前らは完全に祭りの客にしか見えん。いや、俺が見てもまるで違和感ないものだし、普通に美味そうだからな。

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