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424.つきさしてもへいきらしい

 ずぶずぶ、とめり込んでいく刃を半ば呆然と見ていたら、サブラナ・マールの手がその剣を握ってる俺の手をガシッと掴んだ。


「え?」

「これで効くと思ったか、アルニムア・マーダ!」

「げっ!」


 うわ、人間だとどう見ても致命傷なところ刺してるはずだけど、こいつ何ともなさそうだぞ。というか、血、出てないし。どんな身体してんだ?

 あと手、手を離せ! というかカーライルの上に乗り込んで来るなー! カーライルだってジタバタしてるのに、ああちくしょう。


「ようよう我が下にやってきたな。喜ばしいぞ」

「俺はやだよ!」


 こらてめえ、俺掴んだままカーライルから離れるな……あ、でもいいのか。自分の背中じゃカーライル、何もできないもんなってそれはそれでやだなあ、おい。

 とは言え、距離が離れたことでカーライルが動きやすくなった。即座に、俺を追って突進してきてくれる。


「コータ様!」

「邪魔をするなあ!」


 が、サブラナ・マールが俺の背中越しに手からビームをぶっ放し、カーライルに至近距離でぶち当てた。「がっ!」という声がして、振り返ると彼が落下し始めたのが分かる。うわ、マジか!


「カーライル!」

「龍王なぞは、放って置くが良かろう。さあ、神は神同士にてじっくりと、話を」

「して終わる戦なら、最初から一人で来やがれペドフィリアあああああ!」

「ぎゃひい!」


 何で下で自分とこの兵士と俺んとこの配下がガチ戦やってるとこの空で、敵の大ボスといちゃつこうと思えるんだか。わけわからんので、こっちも至近距離から顔面に衝撃波ぶちかましてやった。

 それで手が離れてくれたのはよかった……んだけど、俺は一人で空に浮く術なんぞは知らない。ので当然、自由落下に入る……って、落ちたら死ぬかな死なないまでも痛いかなやべえええええ!


「コータ様!」


 なんて思ってたら、下から別の声が上がってくる。そうして俺の身体は、しっかりと抱きとめられた。このおっぱい感、女の子だ……てことはえーと。


「コータ様、ご無事で!」

「あ、ありがと、シーラ」


 ルッタかシーラ、どっちかだと思ってたがシーラの方だった。つか、勇者戦やってたはずだけど、大丈夫なのか?


「アルタイラ様に、コータ様をお守りしろと命じられました」

「そっか。カーライル、見た?」

「いえ。ですが、この程度で倒されるクァルード様ではないでしょう」


 だよな。

 と、大体の状況を把握したところで、剣持ってないことに気づいた。多分、サブラナ・マールに突き刺さったまんまだろうな、あれ。せっかくガイザスが、俺のために作ってくれたやつなのになあ。


「神様やっつけるのって、どうしたらできるかな。胴体刺したくらいじゃだめみたいだったんだけど」

「とりあえず、首を切り離すあたりですかね」

「そっか」


 やっぱり剣とか要りそうじゃねえか、めんどくせえなあ。衝撃波で胴体吹っ飛ばせればいいかな、とは思うんだけど。

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