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419.どうやらあれがそうらしい

「さて。まずは彼を倒してみようか? アルニムア・マーダ」


 サブラナ・マールを積んでいる鳥人が、すっと後ろに下がった。どうやらしばらくの間、おつきの鳥人たちに俺たちの相手を任せるらしい。というか、彼らじゃなくて彼、なのな。目をつけてるのは一人だけ、ってことか?


「がぁあああああっ!」

「何の!」


 なるほど。一人、やたら動きの早い鳥人がいる。今も俺の衝撃波をひょいと交わして、ついでに巻き込まれかけた仲間を手を引っ張って助けたり。


「ふん!」

「ぐっ!」


 カーライルの爪を、手に持った剣でガッチリ受け止めたりできる腕力の持ち主で……ああ、空中だから腕力だけじゃないのかな。翼の力もきっと、重要だろう。


「フォミノア様、感謝します!」

「それより、援護を頼む!」

「はっ!」


 さっき助けられた鳥人が呼んだ名前……フォミノア、っていうのか、あの鳥人。他の鳥人たちと武装はまるで同じなんだけど、一人だけ翼がちょっとでかくて、あと真っ黒だ。


「来んなぁ!」

「ぎゃっ!」


 そいつはカーライルに任せておいて、俺は援護を買って出た鳥人を衝撃波で撃ち落とす。鳥人は翼を広げて飛ばなくちゃいけないから、けっこう的としてはでかいんだよな。命中させやすくて、助かる。


「フォミノア様!」

「大丈夫だ! はあっ!」


 仲間の鳥人たちを気遣うのはまあ、当然といえば当然か。それをよそに、がきん、がきんと金属同士がぶつかる音がする。実際にぶつかっているのは剣と、カーライルの爪なんだけど。ま、龍王の爪だしなあ。ガイザスが作ってくれた爪があるし、そりゃうるさいわ。

 それはそれとして、何というか。


「あいつだけ、扱い違わね?」

「違いますね。扱いもですが、実力も」


 一度がいんと剣を跳ね飛ばし、フォミノアと距離を取りながらカーライルが答えてくれる。そうか、カーライルが実力が違うって感じてるなら、つまりあのフォミノアはめっちゃ強いってことなんだよな。

 四天王に強いと言わしめる相手、サブラナ・マールが悠々と眺めていられる相手……もしかして。


「案外、間に合った勇者とか」

「あり得ますね。気をつけます」

「頼む」


 可能性としては、あるわけだ。早い内に勇者になったとか、そういう感じで。……男だけどまあ、そういうこともあるかってな。サブラナ・マールがクァルードを封印してカーライルにしてたんだし、別に両刀でもおかしくねえよな、うん。


「でやああああああああああ!」

「がああああああっ!」


 ふっと、俺とカーライルが同時に衝撃波とビームを放つ。あ、でもフォミノアのやつ、あっさりかわしやがった。いやまあ、直進する攻撃だしなあ……軌道バレれば、そりゃ避けられるか。


「衝撃波はもう効かんぞ、クァルード!」


 フォミノアがそう叫び、剣を振りかざす。いや、衝撃波打ってるの俺だけど……ま、いっか。

 その声を聞いて態勢を立て直すカーライルに対し、そいつは堂々と名乗りを上げた。


「翼の勇者フォミノア、改めてお相手いたす!」

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