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400.今後のやり方を決めよう

 その晩は、海鮮バイキングの店があったので制限時間の一時間をガッツリ食って食って食いまくった。……いや、俺胃袋そんなに大きくないからそれほどでもなかったか。

 ともかく、新鮮な海産物の石焼きだの海老の出汁取ったスープだの貝柱のバター焼きだのアクアパッツァだの、美味くて美味くて大変満足した。しかし、これマジで無料? 絶対おかしいぞ、神都サブラナ。


「本当に、美味しかったですわ」

「選んで正解でしたね」

「うん、あれだけ美味いならあいつらも本望だろうさ」

「サラダ、しゃきしゃきしてたー」

「おいしかったねえ、ミンミカ」

「……美味しかったです、ええ」


 あーもー全員大変満足だよ、おのれ。いやまあ、本当に美味かったからいいんだけど。

 で、部屋に戻ってぐったり……できないのがまあ、潜入部隊の悲しいところでな。


「……で?」

「出入り口のないエリアであれば、あれよりもほんの少し警備は薄いですね。ほんの少し、ですが」

「なるほど」

「それと水路ですが、四六時中水量はほぼ変化ないとのことです。ですから、水路を辿って中に入るのは……ネレイデシアであれば可能とは思いますが」


 この辺はカーライルが、観光しながらじっくり聖教会の周囲を観察した結果だ。要は、レイダ以外はなんとかして出入り口を使うしかないってことか。

 そうなると当然衛兵と顔を合わせてしまうことになるけれど、実は何とかできる方法があった。


「んー……俺の出番かな」


 見張りの衛兵、よく見て分かったけど女性ばっかだったんだよね。そうするとつまり、俺が吹き込めば何とかなる。


「お願いできますでしょうか? コータちゃん」

「ま、手駒増やせるわけだし悪くはないよな。限界もあるけど」

「あるのですか?」


 おや、と不思議そうな顔をしてシーラが尋ねてくる。そんなにいっぺんに下僕作ったことないけどさ、やり方からして多分限界はあるぞ、あれ。


「だって、俺の精気吹き込むんだぞ。神様だし、結構量はあるんだろうけど……でも多分、無限じゃない」

「失礼いたしました。確かに」


 そういうこと。今まで結構な人数を下僕にしてきたとは思うけど、だいたい一回に一人なり二人なりの少数だ。塵も積もれば山になってるだけの話でさ。


「なんで、せいぜい二、三人を下僕にして出口を確保したい。一人を内部の案内役にできればいいけど、そのうち他のやつともぶつかりそうだから……最低限で行きたいけど、そっちに乗り換えるのもありかな」

「お手数をおかけします、コータちゃま」

「シーラは水路のこっち側で待っててくれ。何かあったら、飛んできて欲しい」

「はっ」


 全員で突入すると、閉じ込められたりしたときに外部との連絡ができなくなる。最悪の場合、シーラに都の外まで逃げてもらって何とか援軍を呼んでもらう、ということになっている。


「レイダも、水路で待っていてくれ。カーライルがいるんだし、なんとかなると思う」

「分かりましたわ。……龍王、無様を見せるでないよ」

「もちろんですよ、海王」

「アムレクとミンミカは、斥候を頼む。前と後ろで、敵の気配を探ってくれ」

「わかりましたー!」

「ぼく、がんばります!」


 これで大体いける、かな。ともかく今晩は寝て、明日一日ゆっくりして、決行は明日の夜といこう。

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