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399.今後の入口を決めよう

「裏から見ても、迫力あるなあ」

「威圧感がすごいですね」


 今俺たちは、聖教会の裏口側にいる。昨日入った表玄関とは正反対の側、だな。

 こちら側には立ち食いの店がいろいろ並んでいて、俺たちはそれぞれに串焼きだったりポップコーンだったりジュースだったりを手に持っている。これ全部無料って、ほんとに大丈夫か? 神都サブラナ。


「この串焼き、美味しいですわね」

「たこ焼きもいいよ。柔らかくて食べやすいし」


 ……肉の串焼き食ってるファルンはいいとして、何でレイダがたこ焼き食ってんだ。共食いに見えるじゃねえか……というか、たこ焼きあるんだこの世界。ま、パンあるしな……小麦粉のたぐいもあるわけだ、粉もんバンザイ。


「ここ、近海に専用の漁場があるらしくてさ。海の幸も美味しいらしいよ」

「へえ」


 そのレイダが、いかにもうきうきした顔でそんな事を言う。ああ、魚人だしもともとそっちのほうが主食になるか。

 魚とか貝とかも美味いんなら、ぜひとも食ってみたいよな。……何しに来たのかはさておいて、だ。

 同じことを、どうやらカーライルも考えていたらしい。


「では、今夜は海鮮でも行きますか」

「ミンミカ、かいそうサラダすきですー」

「あ、ぼくもすきです!」


 ウサギ兄妹、海藻食えるのか。……ま、好きだって言ってるんだからこれまで食ったこともあるんだろう。


「自分は甲殻類が好きですね」

「わたくしは焼き魚が……」

「私もー」


 シーラやファルンも異存がないようなので、俺もロリっ子モードで便乗しておこう。これで、晩飯は決まりだな。うん。

 それより、今食ってるやつを片付けないとな……って、ちがーう。

 俺たちがやってるのは、聖教会周辺の偵察だってば。

 「しかし」とシーラがポップコーンをもぐもぐしながら、聖教会の裏口らしい小さな入口を見て肩をすくめる。そこには衛兵二人がシンプルな槍を携え、無表情で立っている。


「さすがに裏口も警備はしっかりしてますね」

「こういう作りなら、そりゃそうだよなあ」


 入口だけじゃなくて数メートルごとに、同じ格好の衛兵たちが聖教会をずらりと取り囲んでいるんだよな。堀というか水路の向こうから、こっちをガン見してる感じだ。

 つまり、水路を渡ってまず最初にしなければならないのは衛兵の目を逃れることか……水路から中に入れりゃいいんだけどな。そんな事を考えて、水路をひょいと覗き込んで。


「あ」


 水路のすぐ脇に沿って、歩道があった。その端に腰を掛けてちゃぷちゃぷ、と足先で水を跳ね飛ばしている子供とそれを見ている親の姿が目に入る。そうか、あそこまで降りていけるのか。


「水遊び、してますね」

「ということは、遊んでも問題ない水なわけだ」

「うっかり口に入っても大丈夫、なんでしょうね。水遊びができるんですから」


 シーラが確認し、レイダがしばし水面に視線をやって頷き、そうしてカーライルが確認なのか言葉を続ける。

 ふむ、水路使うのはありっぽいな。

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