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394.今のお宿の部屋の中

 聖教会の見学を終えた後、近くの宿舎に部屋を取った。もちろん、入域証提示で無料である。

 しかもいくつか部屋のパターンがあって、選ばせてくれた。


「はい、殿方はこちらの小さめのお部屋、女性の皆様は前室付きのお部屋ですね」


 さてどうするか、と考えたところでカーライルが男性用の部屋を選んでくれて、シーラが女性用の部屋をその近くにあるところで手を打ってくれた。


「……カーライルお兄ちゃん、いいんですか?」

「この顔ぶれで男は私とアムレクだけですし、問題はないでしょう。な、アムレク」

「うん。ぼく、ベッドのしたででもねられるから」


 まあ、確かに女多い集団だよな。俺の配下に女が多いのと、後俺が吸うのが女だけというのが響いてんだろうなあ。

 それはともかく、アムレクのある意味問題発言に受付の僧侶さんが「床は掘れませんから、お気をつけてくださいねー」なんて突っ込んできた。


「ごめんなさい」

「……ミンミカも気をつけなよ?」

「わかってるですよー」


 即座に頭を下げたアムレクはいいとして、妹であるミンミカにはレイダが念のため釘を差しておいた。いやまあ、今まで床掘ったりしたことないしな。大丈夫だとは思うけど。




 俺たちの部屋は、前室とリビングにベッドルームがついた三部屋。前室には一応見張り、ということでシーラとレイダが入るようだ。

 大して持ってきていない荷物を部屋の隅に置いて、俺は二つ並んだセミダブルサイズのベッドの手前側にぼふんと倒れ込んだ。いや、何か微妙にだるくてさ。


「あら。コータちゃま、いかがなさいました?」

「微妙に体調が悪いっぽい……やっぱ、聖教会なんざ行ったからかな」


 ファルンに尋ねられて、素直に体調と原因の推測を口にする。いやだって、敵の本陣だぞ。一応邪神様なんぞというものをしている以上、調子がおかしくなったって仕方ないだろうが。


「地下はマーダ教ですのにね」

「それを封じる聖教会の結界とかが強いんだろ。だるー」


 サヴィッスよりも、地下のマーダ教関係を封じる力が強いってのは何となく分かる。もしかしたら、聖教会の紋章たるあのでっかい剣ですら封印の要とか言いそうだし。


「熱はないっぽいねえ。お部屋まで我慢してたのかい?」

「表でだるいっつったら怪しまれるだろ……」

「ああ、確かに」


 にゅるん、とレイダが伸ばしたタコの足で熱を計られた。う、ぬるっとしてて気持ち悪い……いやこれ、もし熱があったら冷たくて気持ちいいんじゃないか? タコだからぬるぬるしてるのは変わらないけど。


「それでは、今日はこのまま休んだほうがよろしいでしょうか」

「だるいだけだから大丈夫だよ。作戦会議もあるだろ」


 シーラが心配そうにこっち見てくるけど、何ならお前らだけで話進めてもいいんだぞ。

 正直俺は、邪神ってだけで大した力もない、獣人ロリっ子だからな。

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