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383.行くつもりなら誰と行く

「敵の本拠地への潜入、ですか」


 四天王のうち、今この城にいる三名を集めた上で俺は、『最小限の人数で神都サブラナに潜入する』というプランを相談する。今難しい顔をしたのはルッタで、他の二人もあまり乗り気ではないという表情だ。

 だけど、皆も状況は分かってはいるんだよな。


「確かに、今の戦力でマール教に勝つにはそれしかない、でしょうな」

「それでも、勝率が高いとは言えませんが……正面から戦うよりは、マシでしょうか」


 スティがぱたん、と尻尾を振り、カーライルは仕方ないという風にため息をつく。それから、ふと顔を上げて俺を見つめた。


「では、当然我らがお供するのですよね?」

「それを相談したくてさ」


 そう、そこなんだよな。少ない人数で、敵の頭を取りに行く作戦なんだからさ。


「この務め、失敗は許されませんよね。そうなると、最強メンバーで行くのが当然かと」

「いや、潜入するには陽動部隊が必要だ。そちらを本命と思わせるためには、四天王が一人もいなければ怪しまれる」


 カーライルの意見ももっともだし、スティが出してきた意見にもなるほどと思うところがある。そっか、四天王いなかったら怪しいよな。

 で、スティの意見にルッタは頷いたんだよね。


「そうだな。私よりはルシーラットのほうがコータ様とは長い、同行するならば彼女を推薦したい」

「それを言うなら、どっちみちクァルードは同行することになるんじゃねえか」

「それならそれで良いと、私は思っている」


 うん、確かに俺、シーラとカーライルならめっちゃやりやすいかなあとは何か思ってた。もちろん、スティやルッタでも俺の指示には従ってくれるだろうし、それで危なければちゃんと言ってくれるとは思うんだけど。


「バングデスタは不服なのか?」

「あーいや……まあ、気心知れた仲の方がやりやすいか」


 ルッタの純粋な疑問だろう問いに、スティはがりがりと頭を掻きむしってから頷いた。あ、何か耳がぺたんとなってる。しょげたんだな、これ。


「そう言えばコータ様。マール教の懐となれば、僧侶がいたほうが動きやすくなるのでは」

「うん。だから、ファルンは連れて行こうと思ってる」


 へこんだスティを置いといてのカーライルの質問に、素直に答えてみる。

 というか、今手っ取り早く俺が動かせる僧侶って、城にいるファルンだけだしな。あっちこっちで僧侶に吹き込んではいるけれど、それを今使えるかって言うと、無理だ。


「私とシーラ殿、ファルン殿ということになりますと、旅を始めた頃の顔ぶれになりますね」

「あー、そういやそうだな。その後ミンミカ拾って、アムレクと合流してさ」


 うわあ、言われて気がついた。そうだ、最初その四人で始まったんだ、この世界……というか、邪神としての俺は。ウサギ兄妹はその後に拾ったわけだけど、二人共地味に戦力にはなってるんだよな。


「それならば、その顔ぶれで参られてもよろしいかと。ミンミカとアムレクも、十分戦力になりますし」

「そうですな。俺が行けないのは残念ですが、そのかわりに陽動部隊を本命と思わせればいいのですよね?」


 ルッタ、そしてスティがカーライルのパーティ案に賛成する。スティなんかは、囮役を頑張って買って出てくれるつもりになっているようだ。ああ、それなら助かるかな、とは思う。

 ただなあ、そのメンバーだと少々、困る事態が起きるかもしれないんだよな。


「ただ、そのメンバーだともし水中戦とか挑まれたときにちょっと不利かな、と思ってさ」

「水中……ですか。確かに、神都サブラナには堀などもありますから」


 あるんだ、お堀。ルッタが言ったんだから、実際に見たことあるんだろうなあ。

 この中で属性さえ合えば大丈夫なのは、一人だけで。


「カーライル」

「私はどちらかと言えば火龍ですので、水辺での戦はちょっと」


 あ、合わなかった。龍って炎吹くやつと水神様といるからさ、どっちかなと思ってたんだけど、火の方か。

 さてどうするか、と考えるより先に不意に、声がかけられた。


「あたしをほっぽらかして行くんじゃないよねえ? コータちゃま」


 ちょっと待て。何でいるんだ? レイダ。久しぶりのたこっぱいはありがたいけどさ。

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