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369.あの街も俺の街

 城に戻り、スティを呼んで事情を話す。カーライルとルッタが知っている以上、城にいる彼女にも話は通しておかないといけないしな。

 ……レイダには後で燕飛ばして事情説明しとこう、うん。


「そういうことになりましたか」

「うん」


 レイダはひとまず置いといて、スティは俺たちの話を聞いて何と言うか、納得したように頷いてくれた。いや、勝手に話進めちまったしなあ。


「スティにも謝らないと、なんだけど。勝手に進めて悪かったな、みんな」

「いえ。足元の街を直轄領となされば、城の安全性が上がります。良き判断かと」


 というわけでここにいる四天王とシーラに謝ると、一番放置プレイだったスティがそう答えた。良い判断というか、まあ足元の街を敵対勢力に抑えられるのはいやだよなあ。ゲームのラスボスがいるダンジョンのすぐそばの街、みたいなさ。


「考えなくはありませんでしたが、コータ様が直接お考えとは思いませんでした」

「結構突発的な考え方だったんだけどな。やっぱり、足元は自分たちで面倒見たほうがいいだろうと思って」


 カーライルの素直な意見に、俺も素直に自分の考えを話す。結局は、自分たちの安全のためにアルネイドの街を支配することになるわけだ。そこは、否定しない。

 で、支配すると口だけでならいくらでも言える。でも、肝心なのは実務だ。


「シーラ、カーライル。スティと話し合って、アルネイドに派遣する衛兵隊の選抜を頼む」

「承知しました。自分の目で見て、良い者を選びます」

「お任せくださいませ」

「承知。任せといてください、コータ様」


 俺は命令するだけだから、ある意味楽な位置にいる。いや、マーダ教の神様なわけだしな。

 で、衛兵隊はこいつらに任せるとしてルッタには、他の任務をしてもらいたいと思うのでその旨を口にした。


「それと、領主との交渉にはルッタ、当たってくれるか」

「私ですか?」

「さっき会ってるからお互いに顔は知ってるし、教育部隊にいたことのあるお前ならマール教側の考え方も分かるだろ?」

「なるほど、分かりました。拝命いたします」


 もともとはスティの城の足元なんだから、スティを交渉に行かせても良かったんだけど。

 今の領主が顔を知ってるのはルッタだし、何しろ元マール教だ。こっちだけじゃない考え方だって、できるはずだからな。

 仕事を割り振ったところで、ふうと椅子の上で姿勢を直す。まだ、やることあるかな……あったな。


「……神都サブラナからしてみれば、俺たちが自分たちの手先を街から叩き出したようなもんだ。今後、何してくるか分からないな」


 逆の立場で、情報の伝わり方がそんなに正確じゃないだろうところを考えると俺ならそう思う。すると、やるべきことは……よし。


「サンディタウンとドンガタ、バッティロス、あとレイダのところに使いを出しておいてくれ。こういう事になったって」

「そうですね。燕を差し向けましょう」


 この辺りは知らせるべきだな、と思っていたのは俺だけでないようで、即座にカーライルが受けてくれる。

 サンディタウンはグレコロンがいるし、ドンガタとバッティロスは一応俺の傘下だし。レイダはすっかり別行動になってるから、ついでにそっちの情報も欲しいもんだ。

 ……俺の傘下なら、アルネイドと一緒だな。そうしたらやっぱり、衛兵派遣しようか。


「サンディタウンはともかく、ドンガタとバッティロスにも衛兵隊置くかな」

「確かに。今後のことを考えると、しっかり人員投入をしておいたほうがいいかもしれませんな」


 スティが同意してくれた。……そっちの人員選別もやってくれると、俺は助かるかな。

 そして、あっさり同意した理由をスティは、言葉を続けて教えてくれる。


「こちらが何をやっているか、全世界のマーダ教信者にも少しは伝わってほしいと思いますので」

「だなあ」


 頼むよ、俺の信者たち。集まってきてくれれば、少しは頑張れるかもしれない。

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