表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
343/432

342.見積もりはどうなっている

「サンディタウンから、鍛冶施設についての見積もりが届きました」

「はやっ!」


 書類持ってきたカーライルに、俺は一言でツッコミを入れた。いや、お願いの手紙出して四日だよな? 片道二日弱って、燕使ってもめっちゃ早くないか。


「部屋の場所、室内の寸法や換気口の場所などを詳しく記した資料を、燕で送りましたから」

「ああ、それで見積もってくれたんだ。でも早くね?」

「基本的な見積もりは、だいたいできてるものなんですよ。これまでどれだけ鍛冶屋が作られたか、お分かりになりますか」

「あー、そういうこと」


 過去のデータを元に、だいたいこの広さでこの設備ならこの値段ってのがあるわけだ。カタログみたいな……そりゃそうだよな、歴史のある世界なんだもんな。

 といっても、ホント見積もり早い……まあ、あくまでも見積もりだから若干の上下はあるだろうけどさ。あとは交渉次第とか、こっちで素材を用意できれば少しは値引きとかかな。


「あ。一応寒冷地ということで、その分少しお高めになるそうです」

「鍛冶屋さんて、熱重要だもんな」


 一応、それなりの寒さ対策はされてる城だけどな。地下の部屋だから、下からもじわじわ寒さがきたりするんだろう。

 ……書類を見てみると、ほぼ室内フルリフォームってところか。俺は詳しいことはわからないけれど、項目を見てみると床もやり直したりするらしい。……大変だな。

 古い建物の再利用だから、どうしてもあちこちにボロが出てるのはしょうがないしな。あー、どっかに新しいお城か何か欲しい。

 いっそ、神都サブラナあたり占拠したらそれなりに良い建物、ありそうな気がするけどな。


「あとは、周辺の情報ですね。まとめて送ってもらいました」


 カーライルが指し示す、リフォーム見積書の下の紙数枚。そこに、今のサンディタウン周辺の状況が記されていた。もっとも、先にカーライルが読んでるよな。


「サンディタウンはそれほどでもないようですが、近くの村や街はマール教の締め付けがきつくなってきているようです。獣人や鳥人が出ていっているとか」

「……そうなると、グレコロンのところで囲ってる子たちは大丈夫か」

「そのようですよ。ですが、マール教からやんわりと教会に預けろという話が来ているそうで」

「使い倒す気まんまんじゃねえか」


 教会で手伝いをしていた、アムレクのことを思い出す。要は、そういった下っ端の作業に獣人鳥人を使い倒すから差し出せ、ってとこだろうよ。あー、理解できるとかなりムカつくなあ。


「当然、はねのけたんだよな」

「当然ですね。自分のところで必要があって雇っているのだから、と理由をつけて断ったとのことです」

「吹き込んでも領主だなあ」

「なんですか、それ」


 うん。俺の下僕になっちゃっても、ちゃんと領主としてしっかりと頑張ってるんだなって思っただけ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ