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340.運送屋から情報が

「エンデバルの警備が強化されてますな。ソードバルも」


 ネッサの手紙が届いた五日後、貨物を積んで城に来てくれたジランドがそんな報告をくれた。

 ……ネッサの手紙はナーリアからだから、いくら燕を使っても数日かかるんだよね。その間にサクサクと、マール教は準備を進めているわけだ。


「地味に北上してきてるなー……ドンガタは?」

「まだ来とらんのですが、いつ来るかわからないからと一部の鍛冶屋が移住を進めてますな。もともとマーダ教寄りとかで、締め付けが強くなるだろうという見立てが多数を占めておりますんで」

「ああ、そりゃそうか」


 俺がそう尋ねることを見越して、ちゃんと様子をうかがってきてくれたらしい。ジランドやコングラ、ボロニアたちみたいな貨物輸送業も情報収集としては便利なんだよな、ありがたい。

 にしても、ドンガタの皆判断が早いな。さっさと逃げて……身寄りのいる村や街に移動するのかな。

 ガイザス工房の一行、東方砦に隠れてくれるかな。それだと、こっちは居場所が分かるからいいんだけど。

 でも、別々にいるのは本当だとあんまり効率よくないんだけどね。主に必要なものを調達する手間が。


「本当なら、ガイザス工房にはこっちに移住してもらえると助かるんだけどな……こっちで使う武器の調達とか修理とか」


 そこら辺のことをざっと口にして、俺はジランドに目を向ける。同じガテン系……ていうのかな、肉体労働系列だから何とか説得してもらえないかなーという気持ちを込めてたり。


「まあ、確かに、領主や貴族の中には、てめえとこで鍛冶師の一族を抱え込んでたりしますからね」

「だよな。わざわざ外に注文するより、自分ちで作らせた方が楽だし技術ごと囲い込める」


 ジランドも頷いてくれたので、俺の考え方が間違っちゃいないらしいのは分かった。とはいえ、鍛冶屋さんって場所だけ空けてもできる商売じゃない、んだよな。


「ただ、鍛冶屋入れるなら設備がないとだめですぜ。仕事させるために呼びたいんでしょうが」

「だよな。ただ、ここも昔からマーダ教の城だったんだし、設備……はなくてもそれ用の部屋とかあるかもしれないな」

「そうですな。設備は仕入れる必要性がありそうですが」

「調達できるか?」

「見繕ってみますぜ。他でもない、我らが神の思し召しですからな」


 ……もっと早く見積もり頼めばよかったかなあ。先に設備だけ整えておけば、こういう状況になったときにガイザス引っ張って来られたわけだから。あーミスった。

 というか、我らが神の思し召しって……結構恥ずかしいな!

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