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336.城の中ではいろいろと

「さて」


 ミンミカとシーラ、そしてカーライルと一緒に城の中を歩く。留守にする前より、人が多い気がするんだけど。特に獣人と鳥人が。


「何か増えてない?」

「いっぱいふえましたー。バングデスタさまや、アルタイラさまのうわさをきいてきたひとたちですー」


 疑問をそのまま口に出すと、ミンミカがわかりやすく答えてくれた。何だかんだで噂は広まってるのな、と口コミの凄さを再認識する。魚人や海棲獣人たちはレイダの方に行ってるんだろうなあ。そのうち連絡でもくれると嬉しいな、とは思う。

 で、シーラが言葉を続けてくれたんだけど。


「主にバングデスタ様の配下になりたい獣人や、アルタイラ様にしばかれたい鳥人などが」

「前者はいいけど、後者は待て」


 思わずツッコミを入れた。「ですよねえ」とうんざり顔のカーライルが頷くのを横目で見たから、お前どうやらそういうのをいっぱい見たらしいな。何というかお疲れさん、クマはそのせいか。


「何でルッタにしばかれたいんだ?」

「私は詳しくは知らないのですが、何でもマール教時代にそういうことが何度かあったようで」

「あったんかい」


 教育部隊でぶいぶい言わせてた頃にそういう話があったのか、ルッタ。それで、こっちに来たのを良いことに……いや良くない。というか似合いそうで怖いからやめてくれ、うん。


「と、ともかく。そう言って来た奴ら、どうしてるんだ?」

「本人の希望を一応聞きまして、素質のありそうな者は兵士として訓練をしております」

「自分が指導に当たっています。皆、まだまだですが」


 カーライルの説明に、シーラが続いた。そうか、兵士も育ててるのか、とぼそっと呟くとシーラが「はい」と頷く。


「せめて、マール教に一矢報いることくらいはできなければなりません。そうでなければ、コータ様をお守りできませんので」

「……向こうはしっかりできてるもんな、組織」

「クァルード様の所在がはっきりすれば、龍人族の協力も得られるでしょうが……」


 カーライルの言葉に、ミンミカ込みで四人揃ってはあ、とため息をつく。

 うん、龍人族のスペックが他の種族と比べて桁が違いそうなのは年取ったヴィオンを見ても明らかだったしな。あいつが若くて、しかも数がいたら……それでも勝てなかった相手なんだよな、サブラナ・マールと勇者ども。


「あ、コータちゃま!」


 思わず考え込みそうになったところに、脳天気な声が飛んできた。「おう、アムレク」と返事しながらそっちを見ると……何このもふもふ軍団。

 アムレクももふもふウサギなわけだけど、その周りにネズミだモルモットだヤギだ羊だと獣人の子供大集合状態である。ヤギや羊になると俺と体格がそんなに変わらなくて、「コータ様ですか!」「わーい神様だー」と向こうからもふもふが来てくれた。


「何、この子たち? うわ、こら、落ち着けお前ら」

「えっと、おやごさんといっしょにコータちゃまのためにたたかいたいっていってきたんですけど、たたかうのはたいへんだからおしろのなかのおてつだい、してもらってます!」


 な、なるほど。親が兵士とかで訓練中の子供たちなのか。……お前らも、俺のために戦いたいなんて勇ましいこと、言ってくれてるのかよーしもふもふしてやるぞー。


「下の村で時折コータ様のお姿を拝見する者もおりますから、同じくらいの体格である自分たちもと言ったところでしょうか」

「その心がけは立派ですが、さすがに子供を前線に出すのははばかられますからね」

「ミンミカはおとなだから、かわりにでるです!」


 シーラとカーライルがうんうん頷きながら、しっかりもふもふのおこぼれに預かっている。ネズミやモルモットの獣人は小柄だから、抱っこされて撫でられてるなあ。おお、気持ちよさそうで何よりだ。

 しかしまあ、確かに子供を戦に出すのはいくら何でもなしだ。俺がロリっ子だからって……ここは、俺がちゃんと言ってやらないとな。


「俺は神様だから、小さくても大丈夫なんだよ。戦は大人がやるもんだ」

「はあい。コータちゃまのおいいつけ、みんなまもるんだぞ!」

『はーい!』


 ああもう、お子様たちの元気な声が一斉に返事してくれるってのはいいなあ。こいつらのためにも、俺頑張らないとな、うん。

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