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333.さらば新たな配下たち

 どうにか落ち着いたところで、俺たちはバッティロスの村を離れることとなった。

 もちろん、ベルーテを始めとして彼らの協力はしっかり取り付けたけどな。スティが。


「お世話になりました、スティ様!」

「おう。今後ともよろしく頼むぞ、ダルシア」


 うんまあ直属の上司だしさ、その方が良いに決まってる。

 俺の正体を知ってるベルーテなんかは、「コータ様もどうぞお元気で」と少々へりくだった感じで頭を下げてるけど。……そりゃ、俺、神様だしなあ。頭下げるか。


「ああ、ありがとうな。ベルーテたちも、村を頼むぞ」

「もちろんでございます」


 今までも頑張って村を維持して来てたんだから、大丈夫だと思う。だからそれだけを頼むと、ベルーテは俺に礼をした後一緒にいるファルンに目を向けた。


「ファルン殿、いろいろなご支援ありがとうございました。おかげで、しばらくはゆっくりやっていけそうです」

「いえいえ。皆様のご努力あってのことですから」


 ああ、そうだな。ファルンが仲介に入ってくれたこともあって、今回の問題はあっさり落ち着いたんだった。わざわざダルシアが北方城まで飛んできた苦労は、一体何だったんだろ。

 ……他の誰かに訴える、ということをこの人たちは知らなかったのかもしれない。ガレラがマール教を盾にワガママぶちかまして、それにあちらの村人が便乗して。

 ま、西側の村に協力者ができたんだから良いとしよう。一応ダルシアには、連絡員の任務を与えたからな。たまに俺のところに顔出して報告してもらって、ついでにゴチになってもらう任務だ。


「それじゃ、今度何かあったらまずは自分たちで考えろよ?」

「遠路はるばる、申し訳ございませんでした! どうぞ、お帰りはお気をつけて!」


 一応村人たちに念押しをして、俺たちはバッティロスの村を発った。帰りも港までは、スティに頼ることになる。




「コータちゃんのこと、ご存知ない方もいらっしゃいますよね」


 俺の後ろ、一緒にスティの背中に乗っているファルンが、そんな事を言いだした。バッティロスの住民のことだろう。

 まあ、全員知らなくてもそのうち知ることもあるだろ、とは思う。それでポロッと外に漏れたら、それはそれだ。どうせマール教、知ってるんだろうし。


「まあ、俺が行ったんだから大丈夫だろう。俺の配下はすなわち、コータ様の配下だからな」

「うん。バッティロスの皆には、獣王バングデスタが復活したことだけ理解してもらえれば大丈夫だと思う」


 スティの言葉に、ここは乗っておくことにする。どうせ知ってるんだろ、という根拠の一つでもあるんだよね、これ。

 スティが獣王バングデスタとして復活するためには、例の白かったりグレーだったりするもやを引きずり出すことが必要だ。それができるのは精気を吸う事ができるやつで、多分代表的なのが俺、アルニムア・マーダなんじゃないかと。

 グレコロンはまあ、もともとマール教側だしな。俺の下僕になったことがバレてなければ、やつがやるわけ無いとあっちは判断してくれるだろう。


 ……だろう、だろうばっかりで確信が持てないのはなんだなあ。神都サブラナの内部事情がまるっとわからないせいなんだけど。

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