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282.名前のセンスはいまいちで

 とりあえず、爆睡してるミンミカは放っておいて起き出す。ネグリジェの上にカーディガンを着て、ファルンが持ってきてくれた手紙の写しに目を通した。


「『翼の姫』ルッタが離反、マーダ教四天王『翼王アルタイラ』を名乗っているとの未確認情報を入手。東の海域では『海王ネレイデシア』を僭称する魚人が急速に勢力を伸ばしつつある」


 未確認でも何でも、どこから手に入れたんだその情報。……どっかで誰かが聞いていたかもしれないし、ルッタの元部下が何か聞いてて伝えたかもしれないか。


「『アルニムア四天王』のうち二名を名乗る存在の出現は、邪神アルニムア・マーダの復活が近いないしは既に復活済みであるという可能性が高く、故に各教会及び信者各位においてはその脅威に備えるべし」


 勝手に名前が付いてるぞ、おい。分かりやすくていいんだろうけどよ。

 でもまあ、ルッタとレイダのことが分かったんなら俺が復活してんじゃね、って考えるのは妥当なところか。

 てか、スティのことはバレてないのな。マール教の情報収集能力、良いんだか悪いんだかどっちだ。


「あるにむあしてんのう、ですか……」

「ま、向こうだって都にサブラナって付けてるし。そういうネーミングセンスなんだろ、あいつら」


 棒読みしたのは、騒がしいなって飛んできたカーライルである。忠臣というか俺になついた大型犬か、お前は。

 あと、割とてきとーなネーミングセンスは街の名前とかにも現れてるし、間違ってないと思うぞ。

 ま、奴らの付けた名前なんて知ったこっちゃないが、それにしてもレイダ、本当に勢力増やしてるみたいだな。


「……レイダ、マジで頑張ってるっぽいなあ」

「魚人さんや水生獣人の方々は、あまりマール教をお好きではありませんからね……海王ネレイデシア様が復活されたとなれば、そのもとに集まる方々が多いのは分かりますわ」

「ま、港であんなモン売ってるわけだしな……美味かったけど」


 ファルンはマール教の僧侶だけど、その彼女から見てもレイダの配下になる連中からマール教が好かれてないって分かるのか。つまり、露骨に嫌がってるやつとか何となく疎遠にしたがるやつとかいるんだろうな。

 ……僧侶たちも大変だな、うん。一番上にいるサブラナ・マールと教主はちっとも大変そうじゃないから、ガチで会う機会があったら急所でも潰しておくか。

 だいたい。


「魚人も水の中に住んでる獣人たちも、食料として魚とか食うのは自分たちもそうだったりするし理解は出来てるだろ。でも、例えばタコの足をわざわざレイダに見立てて食うってのは、レイダがこの程度の存在でしかないんだぞって嫌がらせしてるようなもんだ」


 食った俺が言うのもアレなんだけど、俺はレイダや皆にとっては主だしいいよな、うん。

 普通にタコの足焼いたやつ、でいいじゃねえか。美味いんだから。


「多分そうやって、マール教としてはいい気分なんだろうけれどな」


 カーライルやファルンにはそう言っておくけれど、何というか。

 敵対者を貶めることで力を削ぐ、そういうおまじないみたいなもんがあるとかないとかどっかで聞いたような気がするんだけど、マジかなあ。少なくともレイダ、今の陸上でも結構強いからな。


「ネレイデシア様については、いかがなされますか」

「俺が手紙書くから、ルッタに届けてもらおう。あの二人は正体ばれたも同然なんだけど、大多数の人々は顔かたちは知らないだろうし」


 カーライルの問いに、俺はそう答えた。そうして、ファルンにも聞いてもらうために案を言葉にして出しておく。


「二人ともかなりの距離移動できるし、地方撹乱してもらおっか」

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