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265.城のお部屋でいただきます

「んー」

「ん、んんんっ」


 唇から、精気がこちらに流れ込んでくる。フレイナのそれはちょっと甘いんだけど、その中にぴりっと苦味が混じってる感じ。なんだろうなこれ、と考える前に俺は、フレイナから唇を離した。


「ごちそうさまでした」

「おそまつさまれごらいましたあ」


 あーやっぱり。俺と同じ体格だから、他のやつから吸うよりは少なめにしたつもりなんだけど……それでもやっぱり、ヘロヘロになってるよ。


「……吸いすぎた? 大丈夫か?」

「一晩寝れば、治ると思いますう」


 ばた、とふかふかの布団の上に横倒しになりながらフレイナは、酔っ払いみたいな顔をしてそう答えた。

 あーもう、一晩ここで寝やがれ。そのためのでかいベッドなんだから。




 北方城をとりあえずの拠点とするにあたって、配下の皆がまず準備したのが各自の居室だった。中でも一応トップである、俺の部屋。

 ここはもともと城主の部屋、つまり昔はスティが使っていたそうだ。体格が大きめな彼女のためにベッドも大きいんだけど、さすがに布団も木製のフレームもぼろぼろになってた。

 それを調達してくれたのはカーライルと、ジランド師弟だった。確かに人載せたり荷物載せたりして金稼いでるわけだから、あちこちに知り合いはいるみたいだし。


「つーわけで、布団は持ってきましたぜ」

「スティ姐さん、申し訳ないんすけどベッドの方は……」

「ああ、牛車でここまで運ぶのは無茶があるだろう。任せておけ」


 というわけで、軽い荷物はジランドたちの牛車で持ってきてもらった。……牛車通れるくらいに、道の整備してくれたらしい。

 そうしてベッドは、まあ組み立て式なんだけどスティと、細かい部品はシーラが運んでくれてさ。


「このくらいでしたら、何とか」

「悪いなあ。ありがとう」

「いえ、コータ様のためですから!」


 で、俺の部屋でベッド組み立ててくれたのはカーライル、というオチだった。何か頭なでたら有頂天になってたので、えらく安上がりな報酬だなとは思う。

 なお、各自の部屋の家具もそれぞれスティが運んでくれたりジランドたちが運んでくれたりしたとのことで、ほんと皆には頭が上がらない。こんな事言うと怒られるかもしれないけどな……一応、俺が一番偉いわけだから。

 食事も山菜系はアムレクとミンミカとファルンが、肉系はルッタとシーラとスティががっつり取ってきてくれてる。もともと寒いエリアなので、血抜きとかちゃんとすれば結構保存は利くとのことだ。そのへんは任せた、うん。


 でまあ、それでも調達しきれないのがこっちの食事、なわけ。今日はせっかくなのでフレイナをゴチになったけど、あんまりほいほい吸いまくるわけにもいかないしな。


「コータ様?」

「……ああうん、ゆっくり寝てろ」

「はーい……足りなかったら、仲間連れてきますからあ」

「そっか、ありがとうな」


 ま、向こうから来てくれるならそれでいいか。

 なお、フレイナは外見ロリっ子だけど、これでも一族では成人済みだとか。何かホッとしたよ、うん。

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