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実は異世界の神様だったらしい俺。それも邪神で少女神  作者: 山吹弓美
十四:メイヒャーディナルの峠
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258.今後欲しいのはどんな家?

 スティの使ってた城、北方城は何とかなりそうだ。これで拠点は一つ、だけどできれば複数欲しいよな。何かあったときに逃げるためとか、別働隊置いとくためとかさ。

 で、その心当たりのありそうなルッタに視線を移してみる。む、ちょっと難しそうな顔をしてるか。


「私ども鳥人族のが使用していた砦は、コータ様がお使いになるには少々無理がございます。高い山の頂上、それこそ獣人族でも登れぬような峻厳な場所にありますので」

「なるほど。鳥人たちが使うための砦、ならそういう場所に作るのが一番か」


 ルッタの知ってる砦は北方城以上に行くのが無理、ということらしい。そりゃまあ、ルッタもシーラも飛んでいきゃいいもんな。

 というか、それならそれで使えるかもしれない。俺が使わなくても、ルッタと配下の鳥人たちが。


「時期を見て、今でも使えるかどうか見てきてくれ。俺が行けなくても、お前たちは行けるんだろう?」

「はっ。現在でも使用可能であれば、過去と同じように戦の拠点として使いたいと存じます」

「他の鳥人が逃げ込んでいる可能性もありますが、もし我らの配下となるようであればその許可を」

「それはOK。味方の数、増やすに越したことはないからな」


 すぐにシーラが頭を下げてくれた。そして、ルッタの申し出にも許可を出す。

 場所的に、何かがあって鳥人が逃げ込んでるならそれは悪党か、でなきゃマーダ教寄りだ。前者はぶん殴るなり何なりするとして、後者なら仲間にしない理由がない。もしスパイとかだったら以下前者と一緒。

 ……ふっと気がついたんだけどさ。


「……レイダの拠点は、海の中だよなあ。今頃取り返して、整備し直してたりして」

「レイダさま、やっちゃってそうですねえ」

「それならばそれで、魚人の方々にはそちらに集まっていただくのが良いでしょうね」


 はっはっは、ミンミカとカーライルが遠い目になってるよ。まあ、レイダのことだからそれなりにやってくれてると思いたいんだけどな。

 しっかし、元気にしてるかなあ、あのタコ姉ちゃん。あー久々にたこっぱいに顔突っ込みたい。

 それはまた、そのうちにしよう。カーライルが正気に戻って、報告くれてるから。


「私が調べた限りでは、他にも現在廃墟となっている砦や拠点は確か三か所ほどあるでしょうか。それ以外はほぼ、マール教が出先機関を放り込んでいるようです」

「ま、そうだろうなあ。サヴィッスみたいな例もあることだし」


 街まるごと潰して、その上にマール教で上塗りした街、サヴィッス。あそこまで極端なことはなくっても、マーダ教側が使っていた場所をマール教に塗りつぶして再利用なんてこともあるだろう。

 そういった場所を取り返すのはそれなりに勢力が増えてからにすることにして、ひとまずは北方城、かな。

 鳥人の拠点は、ルッタとシーラに任せればいいだろうから。


「スティ。まずは北方城か、そこの確認に行ってくれ。今までも、古い砦をそこらの雑魚山賊たちが占領してたなんてことがあるからな」

「は。侵入者がいる場合は片付けておきます」

「頼む。あ、マール教の僧侶たちがとっ捕まったりしてたら解放してやれよ」


 前に、山賊が砦に僧侶とっ捕まえて売っぱらってたのを思い出して口にする。当時いたメンバーはあー、という顔になったけれど、スティはそうじゃないから疑問だろうな、うん。


「殺さぬのですか?」

「そんなしょーもない事柄で敵増やしたくないな。内心的にはマーダ教寄りだったひとまで、マール教に与してしまう可能性が高いだろ」

「確かに、そうですが……」


 ただでさえ味方少ないんだから、それ以上に減らしてどうする。あと、せっかくの女の子たちを無碍にえろ成金とかに持ってかれても嫌だし。教主についてはぶっ潰すことが確定してるから、ともかく。


「ま、解放した僧侶たちがマール教側に戻ったところで、現状に変わりはないさ。元から俺たちは、とことん劣勢だ」


 俺の出した結論に、誰も異を唱えることはなかった。いや、唱えてくれてもいいんだよ? ほんとに、怒らないから。

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