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実は異世界の神様だったらしい俺。それも邪神で少女神  作者: 山吹弓美
十四:メイヒャーディナルの峠
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255.お前らほんとによかったな

「アルニムア・マーダ様の配下として、何と恥ずかしいことを……これではこのアルタイラ、おめおめと四天王の名を名乗ることはできません!」


 上に戻ってカーライルたちと合流した次の瞬間、ルッタが全力で土下座した。

 ああまあ、全力で覚えてるんだねルッタ、としか思わなかったけど。


「アルタイラ様に、否などございません。サブラナ・マールとマール教の上層部が、アルタイラ様に無体を働いただけです」

「ですよなあ。悪いのは完全に、あちらさんですぜ」


 俺の意見はある意味、カーライルが露骨にぶっちゃけてくれたので俺から付け加えることは特にない。ジランドも頷いてくれたしな、一般的にもそういうことだろう。

 何しろ四天王のうちレイダ、スティ、ルッタの三人を洗脳……んまあ、忘れさせられてたんだから似たようなもんか、してたわけだからね。どう考えても悪いのはマール教です。

 しかしこうなると、残るクァルードがどうなってるか分かんねえな。忘れてるだけで、いろんな意味で無事ならいいけど。


「何よりも、アルタイラ様を無事に取り戻すことができて自分は感激しているのです。よくぞ、ご無事で」

「ルシーラット……苦労をかけた」


 直属の上司と部下、ということでシーラは感涙中である。レイダも、メイデリアが復活して直接会えればこんな感じになるのかね。

 そういやあいつ、何してるんだろうなあ。海の中で元気かね、仲間増やせてるかな。


「コータちゃま。アルタイラさま、きてくれてよかったですね!」

「ホントだな」

「シーラさまも、すっごくよろこんでますし」


 空気の読めないウサギ兄妹も、単純に喜んでくれている。うんうん、可愛いなお前ら。

 そう思ったのは俺だけではないようで、この二人の頭をもふ、っと大きな肉球がなでた。


「俺も、お前たちのような信者が残っていてくれて嬉しいよ」

「わあい! バングデスタさま、ありがとうですー」

「おう。ミンミカとアムレク、だったか? 大丈夫だ、食わないから」

「はい、わかってます!」


 うん、さすがにスティが兄妹食うっつーたら俺が怒ってたところだ。大事な配下なんだぞ、分かってるもんな。

 しかし、虎がウサギなでてるって何かシュールな映像だなあ。


「ところで、アルタイラ」

「は、はいっ」


 いい加減に話が進みそうもないので、俺がちゃっちゃと進めることにする。この場にいる全員、俺には頭上がらない……んだよなあ、考えてみると。すごいな、邪神。


「とりあえず、今俺はコータという名前を使っている。人前でアルニムア・マーダの名前じゃ呼べないだろうから、お前もそっちで呼んでくれ」

「は。では私も、他人の前ではルッタ、で」

「そうだな」


 まずは呼称について。これはルッタも納得してくれたわけで……更に便乗してきたやつもいたりする。


「なら、俺もスティだ」

「自分も、シーラと呼ばれております」

「スティに、シーラ。承知した」

「後は、この場にはおられませんがネレイデシア様が既に復活されておられます。レイダ、というお名前を使われておりますわ」


 ファルンが、レイダのことにまで言及してくれたのは助かった。彼女のことは……まあ、後でもいいか。

 さて、「んで」という一言で話題を次に進めよう。マール教の内側にいた彼女ならばこそ知っているはずの、話題について。


「今、お前がマール教に関して知っていることがあれば、洗いざらい教えて欲しい。俺は別の世界に追放されてたのをつい最近帰ってきたところで、おまけに魂砕かれてたらしくて何も覚えてないんだ」

「はい、仰せのままに!」


 俺が自分の事情をぶっちゃけた上で頼むと、ルッタはど真剣な顔をして大きく頷いてくれた。

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