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実は異世界の神様だったらしい俺。それも邪神で少女神  作者: 山吹弓美
十四:メイヒャーディナルの峠
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238.座り心地はいかがかな

「コータちゃま!」

「わっ」


 いきなりもふっと、大変もたれ慣れた背もたれもふもふ感が背中に復活した。いやつまり、ミンミカに背後から抱きしめられたわけだが。しかし、この毛皮付きクッションはやはり良いものである。


「シーラさまのせもたれ、だいじょうぶでしたか!」

「おう。しっかりしてて、安心感あったぞ。鎧着てるから、クッション性はミンミカの方が上だけど」

「そうですか!」


 そのクッション、じゃなくてミンミカに聞かれて素直に答える。アムレクやファルンもこっちにやってきてて、合流は何の問題もなくできたようだ。

 問題は、クッションとしての性能がミンミカより低いと言われたシーラがムッとした顔をしているところくらいかね。鎧つけてるからだけど。あと、行き交う人が少なくはないので案外邪魔かもしれない、とか。


「シーラさま。ふくれるくらいだったら、よろいはずしたほうがいいんじゃないですか?」

「む、むう……」


 アムレク、お前がそこ突っ込むのかよ。確かに、せめて胸当てだけでも外してくれたら大変クッション性が良くなるのは確実なんだけど。

 ……思いっきりセクハラだな、俺。幸い、向こうがこちらに好意感じ……てるというよりは崇拝する神様、だから良いんだろうけれど。


「この辺りに出てくるような悪党連中でしたら、シーラ様が胸当てを着ける時間くらいは稼げますわよ」

「……じ、次回からは考慮する」


 ファルンにまでそんなことを言われて、シーラの顔はまっかっかである。そんなに俺のふわふわ背もたれなり椅子なりやりたかったのか、お前。

 ぶっちゃけ、ルッタレベルの相手でもなきゃ鎧はいらねえだろうと思うのは俺の身びいきかな。

 ちなみにこの会話の間、カーライルはひたすらそっぽを向いていた。多分当人に聞いたら周囲の警戒してました、なんて言うんだろうけれど。人多いし。




「おまたせしました」

「すんませーん、結構人多くて」


 それからさらにしばらくして、やっとジランドとコングラがやってきた。駐車場の方も混んでたかな、こりゃ。

 しかし、俺たちは朝から出てきたはずなんだが、この時点で混んでるのかよ。


「多いですよね。この人たち、いつから出てきてるんです?」

「夜中からですよ。聖地で日の出を拝むツアーとか、やってるらしいですから」


 カーライルの少し困ったような疑問には、ジランドが肩をすくめながら答えてくれた。

 日の出を拝むって、つまりご来光かよ。そういう観光ツアーは、世界が違ってもあんまり変わりないのな。

 ん、つまり東向きに聖地見られるわけか。この世界、前の世界と一緒で太陽は東から昇るから。


「では、全員揃ったことですし、参りましょうか」

「俺が案内するっすよ」

「そうですね。おねがいしまーす」


 ファルンのサラッとしたまとめに、コングラがいつものように明るい声で答えてくれた。うん、案内頼むぞ。

 あと、バングデスタどこかにいるかなあ。ちょっと探してみるか。

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