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225.龍王ってどんなやつ

 すでに復活した、海王ネレイデシア。

 多分ビンゴなんだけどなかなか復活させられない、翼王アルタイラ。

 そしてこれから行く先にヒントがあるかもしれない、獣王バングデスタ。


「えーと、あとは龍王クァルード、か」


 四天王最後の一人。龍人族のトップ、ということになるんだけどその龍人族自体がほとんど表に出てこない種族だからなあ。ヒントも何もありゃしねえ。


「どうなったかも、分からないみたいなんだよなあ……シーラは何か知ってる?」

「……申し訳ございません。自分はクァルード様のお姿を見たことは、ただの一度しか」


 直属の配下でもなきゃ、そうそう顔を見ることもないんだろうな。しかし、もしかしたらと思って妙なことを聞いてみる。


「出不精だったのか?」

「いえいえ、そういうわけでは!」


 うん、さすがに四天王の一人が引きこもりってのはないよなあ。事務方ならともかく……こういうファンタジー系敵軍ってそういう描写ほとんどないけどさ、事務方、いたんだろうか?

 まあいいけどさ。今度レイダに会ったら聞いてみるかな、食料調達とかどうしてたんだって。彼女のことだから、現地調達とか言いそうだけど。

 そんな事を考えている俺の前で、シーラはクァルードの姿をあまり見なかった理由を教えてくれた。


「そもそも龍人族自体が数が多くなく、戦から遠ざかっておりました。クァルード様は当時の族長もなさっておられましたので、自らの種族を治めることを優先せよ、とアルニムア・マーダ様より命じられていたと聞いております」

「代理人とかはいなかったのか?」

「一応置いておられたようですが、問題が起きるとクァルード様が出ていかれることも度々あった、と当時知り合いだった龍人より聞いております」


 代理人に全権委任して丸投げしとけよ、とツッコミたくなる案件だな、おい。

 全部投げられるような人物が他にいなかった、とか言うなよ?


「……他の四天王は、そこら辺大丈夫だったんだよな?」

「はい、それはもう。他の方々は、四天王の位を賜った時点で長であった場合、後継者を定めて譲ったと言われております。クァルード様もそうなさるおつもりだったのでしょうが、龍人族皆が反対したと聞きます」

「てことは、クァルードはそれだけ族長として完璧だったってことか……」


 あと、代理人できるような人材がいなかったから、ってところか。

 それで勝てばよかったんだけど、俺たちは負けた。で、多分クァルードも封印されて、それで。


「そのクァルード様を失ったことで、龍人族はマール教をさらに嫌悪したとも言われております。その結果、現在でもほとんど外部との交流はないとか」

「あー」


 それで、龍人族って見ないのか。すごいなあ、龍王クァルード。俺の配下だけど。

 前の戦争から、どのくらいの年月が経っているのか俺は知らない。けど、ものすごく長い間龍人族は外部との交流を拒んできて。

 ……この場合の外部って、基本的にマール教だよな。


「マール教側は、どういう見解なんだ? 龍人族に関して」

「種族としては滅亡、という扱いのようです。時折表に出てくる者は貴重な生存者、として丁重に『保護』されるとか」

「あがー」


 保護、という単語をシーラはことのほか力を込めて口にする。その意味は、考えるまでもないよな。

 女性だったら行くぜ十八禁、男性だったら……案外、マール教上位の偉い僧侶だの貴族のド変態だのが喜ぶんだろう。

 敬虔な信者の皆さんはともかく、腐った上位の方々を叩き潰す理由がどんどん増えてる気がする。それに。


「……クァルードが復活できれば、龍人族も世間的に復興できるよな」

「恐らくは。全くヒントがないのが問題ですが」

「だよねー」


 世界の何処かにいる龍王クァルードと、そいつが治めていた龍人族。

 なんとかして復活させて、巻き返してやりたいな。


 まずはルッタだけどな、目の前ふらふらされてるようなもんだし。

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