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217.こっそり俺もついていく

 ちょっと考えて、俺は立ち上がった。もちろん、シーラの後を追っかけるためなんだけど。


「コータちゃま」


 だめですよ、という目でこっちを見てくるミンミカを筆頭に、全員の視線が俺に集まる。

 いや、そう言われるのは分かってるんだけどさ。シーラのこともルッタのことも気になるんだよ……どっちも、俺の配下もしくは配下予定なんだから。


「小さい子が夜中にフラフラ起き出して歩き回るのは、そんなにおかしくはねえよな」


 だから、軽く理論武装する。いや、これで理論武装なんつったら口から先に生まれてきたやつに笑われそうだけど。

 ロリっ子外見を利用して、迷ったふりをして二人のところに行く。うっかり見つかっても、ロリっ子を装えば良いわけで。

 ……うまく行けば、ルッタを吸えるかもしれないし。


「危険になったら遠慮なく叫んでください。小さな子がそうするのは、何もおかしくありませんから」


 と、カーライルが俺の軽口に対応するように返してきた。おいおいおい、それって行っても良いってことじゃねえか。


「いや、止めねえのかよ。保護者だろ」

「シーラ様のことを案じているのは私もですが、うっかり近寄ってはおそらく気配でバレますから」


 ジランドのツッコミにしれっと返せるのは、慣れてきたからかね。というか、俺なら大丈夫ってか。

 まあ、庵主様のくれた魔除けことマール教の紋章ペンダントが効果発揮してるなら、大丈夫だろうけれど。


「シーラ様もですが、ルッタ殿もコータ様がおられると分かれば手が緩む気がしますわ。あと、一応必殺技をお持ちですから」

「ひっさつわざですか。それはむてきですね!」

「一応、ちゃんと護身の手段はお持ちなんすね、コータ様」


 いや、ファルンも止めろよ、と言い出した俺がツッコミ入れかけるような反応。この場合、ミンミカの反応が一番まともに思えたのがすっごく複雑だよ。

 それと、一応必殺技ってなんだよ。これでも頑張って練習したんだぞ、衝撃波。まあ、イヤボーン仕様だったとはいえ最初に食らったのがお前だけどな、ファルン。

 なお、アムレクとコングラの反応はもう、こんなもんだよなあと思っておく。


「コータ様。一応、これを」


 ふいと立って荷物をあさっていたカーライルが、黒い布を持ってやってきた。おお、雨避け用のポンチョじゃねえか。


「黒っぽい服装のほうが、目立ちにくいと思われますので。私は鳥人の見え方は分かりませんから、人の目で見ての話ですが」

「うん。ありがとう」


 なるほど。これは雨避け用だしな、もうすぐ雨季だっつーてるし夜だから保温のために着てる、とでも言えるし。

 これ着て、目立たないように見てこいってことか。もうこいつら、俺止める気ないだろ。


 まあ確かに、何かあったらお子様ただし外見のみなんだから大声で泣きわめけばいいもんな。そうしたら当然、大人は慌ててやってくるわけで。


「それじゃ、ちょいと行ってくる」


 ほいと片手を上げて、俺は木々の間に滑り込んだ。何となくだけど、シーラのいる方向分かる気がするなあ。

 さっすが俺、一応神様。

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