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142.ここにいるのはみんなのおかげ

「レイダ」

「はい」


 ふと、疑問が湧いてきたので聞いてみる。本来なら覚えている事柄なので、レイダ初め当時の配下には悪いなあと思いつつ。

 まあ、サブラナ・マールのせいなんだけど。


「俺は覚えていないんで済まないんだが、メイデリアって何の魚人なんだ?」

「正確には魚人ではなく、海棲獣人ですね。シャチですから」

「わーお」


 魚人じゃないのか。てことは、イルカとかクジラとか……ラッコとかもいるのかな。

 この世界の生態系、ほぼ前の世界と変わりなくてそこらへんは楽でいいんだが……パンダ獣人いるのかな、なんてしょうもないことを考える。ウサギとか猫とか、メジャーな獣系は良く見るんだけどなあ。


「シャチさんより、タコさんのほうがつよいのですか?」

「サイズと戦闘力にもよるさ。海中に引きずり込めば、海棲獣人はそう長く息が続かないからね」


 メジャー系、と勝手に呼ぶウサギ獣人のミンミカが、そうレイダに尋ねる。なるほど、戦場選べばシャチでもタコに負ける、と。

 俺の常識からするとサイズが違いすぎてシャチが負けるわけない、なんてことになるんだけどこっちだと両方人型で、多分サイズそんなに変わらないしなあ。


「だなあ。戦闘なんだから、すぐに息継ぎしたくなるだろうし」

「それか、触手を使って息を止めるという方法もありますわ」

「さすが、レイダ様です」


 あ、シーラがえらく感心してる。レイダが四天王やってる理由というか実力、納得したんだろうか。

 確かにタコの足で鼻とか塞がれたら、洒落にならんもんな。それを海の中でやる、っていうなら確実にレイダが勝つか。


「まあ、メイデリアよりレイダの方が上なのは昔からなわけで、それで良いんじゃないかな」

「我々の一番上におられる方が、呑気におっしゃいますことで」


 俺がそう結論づけると、ファルンが苦笑交じりにそう言ってきた。……ああうん、一応俺がトップなんだけどね。

 邪神だし、マール教の僧侶だの信者だの下僕にしちゃってるし。いや、女の子をマール教教主のモノにされるよりはこっちのほうが良いだろ、なあ。


「コータ様こそが我らの長、ですから」

「私が仕えるべきお方、です」


 シーラとカーライルが、姿勢を正して言ってくれる。言われる俺は相変わらずタコっぱい堪能中で、何かごめん。


「相変わらず、あんまり自覚ないんだけどなあ」

「コータちゃまはコータちゃまです。だから、ミンミカついていくです」

「もちろん、ぼくもついていきます」


 ちょっと頼りないことを口走ってしまったのに、それでもミンミカとアムレクは当たり前のように答えてくれる。


「わたくしは下僕ですから、当然従いますわ」

「もちろん、このネレイデシアはコータちゃまの配下として働く所存です」


 ファルンだけはちょっと立場が違うから仕方ないけど、それでもレイダと共に従ってくれると言ってくれたのは嬉しい。なので、素直に「ありがとな」とお礼を言った。


「ついてきてくれるみんなのためにも、もっと配下増やさないとな。下僕じゃなくて」

「そうですね」


 さすがにそろそろ、どこからかバレ始めてもおかしくない気がする。神都サブラナにバレる前に、こちらの戦力を増やさないと大変なことになりそう、というか多分なる。この女の子たちを、教主の手に渡す気なぞ俺は毛頭ない。

 ……男のカーライルとアムレクも、同じくだ。教主が両刀使いでない確証が、どこにもないからな。


「差し当たっては、この近辺にいる可能性が高いメイデリア殿を探しましょう。その方が、レイダ様も心強いかと」

「ああ」


 そのカーライルの提案に、俺は一も二もなく頷いた。

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