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013.他にも配下はいるのかな

 そういえば、聞いてみたいことがあったんだよなあ。ネッサに聞かれてもまあいいかな、と思いつつ俺は尋ねてみた。

 聞きたい相手は、シーラだ。


「そういえば、シーラ」

「は」

「お前さん以外に、昔は俺の配下だった連中とか転生してたりするのかな」


 彼女がかつて『剣の翼』ルシーラットと呼ばれていた、俺の配下の生まれ変わりであったことがな、うん。

 俺も結局のところ、邪神と呼ばれている存在の生まれ変わりと言ってもいいわけで。

 それなら、他にも同じような連中がいてもおかしくないよな、と思ったんだよね。気を吹き込んだ下僕じゃなくて、俺本来の配下であった連中がさ。


「恐らくは。特に、四天王と呼ばれた方々はお力もありましたので、まずおられるかと思います」

「四天王、ねえ」


 あ、やっぱりそういう奴ら、いたんだ。まあ、俺一人で配下全部掌握してたわけもないしな。中間管理職はいて当然だよなあ……苦労かけたんだろうな、当時は。


「自分の隊長であった翼王アルタイラ様、それ以外に獣王バングデスタ様、海王ネレイデシア様、龍王クァルード様。この四名です」

「四天王の方々……私の家には、そのお姿が記された禁書が伝わっておりました。家屋敷と共に焼かれてしまったのですが」


 二つ名は分かりやすいんだけど、名前がめんどくせえな。カーライルも知ってるみたいだし、あとでリスト作ってもらおう。


「中でも龍王クァルード様はコータ様の側近として、御身をお守りし続けたと聞いております」

「それもあって、龍人族は現在ほとんど見られません。山の奥深くや水底に、一族もろとも封じられたとも言われていますね」

「ふーむ」


 龍王が最後まで抵抗したんで、その係累が滅ぼすまではいかなくても封印中、と。この場合はシーラみたいなんじゃなくて、俺のろりボディみたいな感じか。

 龍人族はともかくとして、例えばシーラなんかは殺さずに封印したのが転生してるんだよな。そうなると、他の中間管理職とかそこら辺もサブラナ・マールが自分側の戦力として置いてある可能性はあるか。

 四天王、なんて呼ばれてるってことは強いわけだし。シーラだって結構強いみたいだし。


 わーい、ベタベタな洗脳敵役相手かー。

 ……やりにくいかもな。覚えてない俺はともかく、シーラは。


「分かった。今のところまったく情報ないけどさ、もしかしたらどこかで手に入るかもしれないから気をつけておこう」

「承知しました」


 なので、とりあえずはそれだけ言っておく。それと。


「カーライル、お前が知っていることなんかはまとめてすぐ見られるようにして欲しい。俺が思い出せりゃいいんだがな」

「お任せくださいませ。マール教の教会であれば、紙もペンも良いものがあるはずですので、使わせてもらいます」

「ぜひ、お使いくださいませ。……私は見ないでおきますわ」


 カーライルは勇んで頷いたけど、その横からブランナが口を挟んできた。ん?


「ブランナ、いいのか?」

「万が一ですが、私の口からマール教の上層部に漏れるかもしれませんもの。最初から知らないでおけば、漏らすことはあり得ませんのよ」

「なるほど。気遣いは助かる」


 情報漏洩なー。俺たちがこの村出たあとで、何かあってブランナが正気に戻ったら絶対バラすだろうしなー。

 そうなると、確かにブランナには見せられないか。さすが俺の下僕っていうか……うーん、何て言ったらいいんだろうな。

 もうひとりの下僕であるファルンは、少し不安げな顔で尋ねてきた。


「では、わたくしも見ないでおきましょうか?」

「ファルンはいいよ。ただし、村を離れてからな」

「分かりました」


 こっちはさすがに、内緒にしておいてもな。俺とシーラ、カーライルが知ることを同行者で一人だけ知らない、ってのは何かと差し障りがあるだろうし。

 ここで別れることになるブランナはともかく、ファルンは一応は知っておいてもらわないとな。

 ただし、何かあったら。


「もし、コータ様に逆らうようなことになれば自分が斬ります。ご安心を」

「……最悪、それしかないか。その前に俺が下僕にし直す、ってのもあるけど」

「わたくしは、コータ様のお心のままに従います」


 シーラが口を封じる、と申し出てくれた。ああうん、確かにな。

 いろいろ情報が漏れたら、ほとんど仲間のいない俺はもう絶体絶命だ。殺されないまでも、またえらいことになるんだろう。


 しかし、口封じとかそういうことを口に出されても俺、割と平気みたいだな。何だろう、順応しすぎじゃね?

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