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132.そして最後は家の中

 使用人二人を下僕にしたところで、ファルンとミンミカが部屋を覗きにやってきた。まあ、ちょっと騒がしかったからな。

 で、ざっと説明するとファルンは「案外、簡単でしたね」と呆れたように目を丸くする。よく言うよ、下僕第一号。

 とはいえ、確かに簡単だったけど。


「この別荘には、主のベルナダだっけ、含めて女性三人しかいないわけだし。元々の持ち主だって、すでにこっちの手の内だしな」

「外に漏れなければ、全く何の問題もない」

「確かに、シーラ様のおっしゃるとおりです」


 俺の説明にシーラが続き、カーライルが苦笑しながら頷く。それから、「では、あと一人も早急に?」と尋ねてきた。


「もちろん。グレコロンから許可も出てるし、せっかくなら全員下僕にしたほうが使いやすいだろ」

「みんなしもべになったら、コータちゃまのことないしょにできやすいですー」

「それもあるな、ミンミカ」


 そうなんだよね。一人だけ正気のまま置いとくより、全員吹き込んだ方が俺やシーラの秘密も漏れなくてすむ。資金とかも何とか回してもらえそうだし、サンディの家をまるっと支配できれば俺の安全はかなり保証されるんじゃないかな。

 そういうわけで、俺を見ながらすでに発情してんじゃねえか、って感じの使用人二人に、命令だー。


「スラーニア、レフレティ。ベルナダもお前たちと同じにする。手伝え」

「承知しましたわ」

「お任せください」


 あー。二人して、うきうきしながら立ち上がった。早速やっちゃいましょうって感じでノリノリである。

 ……ふと思ったけど、この二人でいちゃこらしてるんじゃなくてベルナダ込みで三人でお楽しみとか、そういうパターンか、これは。

 そういうことなら混ぜてもらってもいいだろうか、と考えてやめにした。多分、キリがなくなる。

 で、ふと視線をそらすと、カーライルが複雑な顔をしていた。


「自分たちの主を、自分たちでコータ様に差し出させるんですね」

「やっぱ、邪神はこうじゃないとなあ」

「コータ様は邪神というわけではないんですが……まあ、ご自身がよろしいのであれば」


 カーライル、あんまり気にしないほうがいいぞ。俺もサブラナ・マールも、やってることはあんまり変わらないし。

 世界を味方につけたほうが良い神で、そうでないほうが邪神ってだけだ。

 そこら辺、気づいたほうがいいぞ。あんまり生真面目だと、後が大変そうだ。




「スラーニア! レフレティ、何をするんですの!」


 ベルナダは、あっさりとっ捕まった。まさか、自分の使用人二人がいつの間にやら邪神の下僕化してるなんて、分からないもんなあ。

 それに、使用人と違って腕っぷしも強くないみたいだし。


「コータ様。さあ、どうぞ」

「ベルナダ様、天にも昇る心地を味わってくださいませ」


 こら使用人ズ、おっぱい掴んだり首筋舐めたりするんじゃないの。そういうことはほんとに後でしなさい、後で。

 ひとまずはエロ使用人がこれ以上やらかす前に、吸って吹き込むことにしよう。


「いただきまーす」

「んふっ?」

「ベルナダ様、気持ちいいですわよねえ」

「新しい主は、とっても気持ちがよくなるのですよ」


 だから邪魔するなってーの。しっかり顔抑えてもらって吸ったベルナダの気は、はちみつぶちまけたパンケーキみたいな感じのだだ甘さだった。うへえ、これは一回吸ったらもういいや。とっとと吹き込んで終わろう。


「あらまあ。サンディ家のお方は、なかなかふしだらでいらっしゃいますのねえ」

「人を味方に取り込むには、ある意味少々ふしだらな方がやりやすい……とは誰の言葉だったか」


 唇を離すと、ベルナダはもうすっかりとろーんとしていた。どちらかと言うと俺のせいじゃなくて、イチャイチャベタベタしているスラーニアとレフレティのせいだと思うけどな、うん。

 それを見ながら、ファルンが笑顔でしれっと毒を吐く。シーラが少し考える顔をしながら、おかしな言葉を口にした。

 ……四天王の誰かが言ったんだろうかな、とは思うけど。


「かといって、程々に身持ちも良くなければそれはそれで不評を買うと思うのですが」

「めんどくさいですー」

「ほんとだねー」


 カーライルは相変わらず真面目に答えるし、ミンミカとアムレクは……何も考えていないだろ、お前ら。

 もっとも、ウサギ兄妹がど真剣になにか考えることがあったらそれは、とっても危機なんだろうけれど。

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