暗殺者とハッカー
だだっ広〜〜〜〜い空を窓から眺め、エンジン音とテンの荷物の重さに足が痺れて来ている。
日本の冬は案外寒い……様々な宗教が無数に存在するこの国はいまクリスマスカラーの飾りが様々な店舗に飾られている。
「おいテン、まだか?」
空をぐったりとした体制で覗きながら俺は居ない同居人の助けがくる事を祈っています。
二時間前……。
日本に来て2週間がたったどうも俺の日本は片言くさいらしくなれるまで母国の言葉でナビをしていた。
例によって例の如く、現場に動向する事を渋々了解したテンの目になるべくクラックを繰り返している。
『地下の暗証番号の割り出しを頼むかな』
「オーライ任せろ………よし、ビンゴ」
『ターゲット確認かなー?さて撤収するよ』
「そろそろダミーの情報がばれるルートCから逃げろ」
指示するまでもなく赤い点は用意していたルートに進行している。
こなして四件目の依頼完了に安堵の溜め息をつく………ジャリ、と敷地の石を踏む音ジャパニーズマフィアの家には不似合いすぎる出で立ちの女が立っていた。
「お前が茜色の予報師か……」
「いっ!」
と、まぁこんな感じだ俺自身も行きなり攻撃され、よけれるはずもなくぶっ倒れる。
女は俺がテンではないと気付き、さっきの風格も何のその行列が渋滞した蟻のようにジタバタしだす。
「うぁ〜やっちゃった〜、間違えた、どーしよー」
「うっ……」
「あ、生きてた……とりあえずゲット!」
「はぁ?!?!」
言うが早い手早く応急処置を済ませ車の後部座席にわりと丁重に乗せられる。
そのかん無駄に涙目で謝られるのだからたまったもんじゃない、悪い?のは向こうなのにこっちが悪いみたいだ。
そんなこんなで現代に至る。
「腹へったな〜」
「シャケでいい〜?」
「うん……っておわぁ?!生首」
そりゃビックリだ、テンの不思議技いがいに居るとは聞いていた能力を持つ人間この女もそうらしい頭と手首から上以外はないのだ。
「そんなに驚かせるつもりはなかったんだけど」
「……なぁ、俺を捕らえる意味はあんのかよ」
女もお握りを食べているのをみてひとまずは大丈夫だと素直に受けとる。
「あぁ?!知るか!この馬鹿に聞け!」
「??!」
すこし垂れ目の優しそうな顔が一変して鬼のような形相でキレられる。
「たく!最初から俺に任せれば茜色の奴と会えたんだ!」
「?!」
少し小ぶりな胸から煙草ではなくガムを取りだし噛み、流し目で俺を見ている。
「なんだガキ、俺の顔に何かついてるか?」
「……?もしかして二重人格?初めてみたぜ、ほんとにいるんだ」
女は面倒くさそうに椅子を倒し寛ぐ、俺はそんな女を見ながらバカみたいに冷静な自分をミラーで一瞥する夜は長い。
「あんた名前は俺はフラディオだディオと呼んでくれ」
「うっせ、少し声を静かにしろよリーファは昨日寝てないんだよ」
「リーファ?それがあんたの名前?」
「俺はただの第二人格さ、こいつ個人がリーファなだけだ」
リーファ?は自分の首筋をナイフでなぞり嬉しそうに微笑む。
何となく目を背けると地響きと共に見慣れた茜色の傘がコンクリートを貫通している。
「おいリーファ、来たぜクールにな……うぁわわ!来た!よし!」
急にかわいらしい声をあげたかと思うと気合いを入れて車から降りる。
「あ、貴方が茜色の予報師ですね!私こう言う者です」
「あ、ご丁寧にどうも」
「って!テメー!なに暢気に名刺交換してんだよ?!」
かっこよくテンの鋭い目付きをコンテナの上から放っていたのに次にはこれだ。
「あ〜フラちゃ〜ん!」
「その呼び方ヤメーい!!その前に何とかしろ!」
二人は何を?と?を浮かばせるがお互い目が合うとあ〜、と頷き見えなくもない速度で離れる。
「キングストン家の時期当主が僕みたいな便利屋に何のようだい?」
「キングストン家!?あの殺屋一族のか?!あのおっとりとしている女がトップ?!」
キングストン家、こっちの世界に入ってしった一族、特殊な体術を駆使しどんな状況下でも100%の確率で成功させる、危険な集団だ。
因みに六代目の当主は日本人らしい。
「貴方に怨みはありません!でも私の為に死んでください!」
「……加減はしないよ、ディオを助けてるから待ってて」
急に目付きを鋭くする二人にやっぱり俺って普通だな〜と感じるのであった。