13.その2 謎の空洞&その3 防空壕
「じゃあ、その2を教えるね!」
「おう」
そう言うと赤川はこほん、と咳払いをひとつしたあとに言った。
「この本館の地下2階の階段の横の壁に、謎の空洞があるの。最初はその隣の陶芸室かなって思ったんだけど、陶芸室はそこまで広くなくて。試しに陶芸室の空洞側の壁を叩くと、そこだけが異様に空洞があるの。」
「え、えっと、まあなんか変に空洞があるって感じ?」
「そゆこと。しかもその空洞のある壁は塗り直された跡があって、もう絶対怪しいよアレ」
まあ正直そこまで引きこまれなかったので次の話を教えてもらうことにした。
「じゃあ、その3!別館の階段に立ち入り禁止の看板があるのは知ってるよね?」
「階段の話多くねえか?」
このままでは学校の階段について語るはめになる。そんな俺をよそにどんどん話し始めた。
「まあいいから。その階段を下りるととっても暗くて、地下2階まであるらしいの。地下2階から扉に鍵がかかっていてそこから先は行けないんだって」
別館の立ち入り禁止エリアがあることは噂には聞いていたが、そこまで話が続いているとは思わなかった。
「あ、まだ続くけどね、その扉の先は防空壕なんだってさ」
「防空壕!?」
なんだってまたそんな物が。
「だって、ここは戦前からある学校だよ?」
「あ、そうだったな。」
そこで俺は思いついた。
「赤川さん、今日別館の立ち入り禁止エリアに行ってみない?」