11.係決め
この回だけ一瞬時が飛びます。
次回には戻ります!
[時はさかのぼること先月4月10日]
学校が始まってはや4日目の今日、俺のクラスでは早速学級委員などの係決めが行われた。
学級委員の簡単に説明をすると、
級長…クラスで担任の次に権力を持つもの。主に号令を担当する。
副級長…級長の補佐的役職。特にこれと言って大した仕事もない。
書記…毎朝出席簿で生徒の出欠をとる。早くクラスメートの名前を覚えるならコレ。
会計…1学期の仕事はないが、文化祭でのお金の計算をしたりする。
というものである。
担任の三浦は「今のうちにやっとけば将来のちのち困んないぞー」と言っていたが、将来なんてまだ考えていない。教師というものは気が早いものだ。
そんなことを思いながらも、やはりクラスメートの名前は早く覚えたいので俺は書記を選ぶことにした。
級長はクラスに一人はいる、おちゃらけた男で、阿笠といった。某探偵マンガの博士を彷彿とさせる名前だったが、ひっそりと俺の胸の内にしまっておいた。
副級長はこれまたTHEジャニーズ系の顔かたちの男だった。名前は横溝である。
高身長で好成績な彼はきっとこれからモテるぞ、と思った矢先、彼女がいることが発覚した。リア充爆ぜろ。
会計は唯一の女で、消え入りそうな声で降田です、と名乗った。赤川と暗さは同じだが、きっと彼女は元来この性格なのだろう。
とりあえず全員の顔と名前を一致させなければ。明日から頑張るぞ、と気合いを入れた。