よくある出会い
ちょっと書いてみました。
投稿間隔広く成り
ゆっくりと物語が進みます。
それでもよろしければお付き合いください。
男は、目を覚ますと家から見える景色に軽く舌打ちをする。
しばらく表を観ていたかと思うと
のそのそ起き抜け丈夫そうな皮の胸当てと二の腕を護るアームガードを左腕につける。
そして鞘に入った長剣を身に付け、皮で出来た金貨袋を持ち家から出ていこうとする。
「・・・」
玄関より手前の部屋で酔いつぶれて机に突っ伏しているおっさんを横目に見てその部屋の中に入り
何かおっさんに掛けるものがないか探す。
部屋の端のソファーに掛かってるマントを見つけおっさんに掛ける。
「親父もそんなに若くないんだから身体を大事にしてくれよ・・・」
そう、皮装備の青年が呟くと机に突っ伏した中年のおっさんは、薄目を開きのそりと起き上がる。
「やあ、キースくんにまた心配させてしまったかな?」
その言葉を受けたキースと呼ばれた青年は、決まりの悪い顔をしかめ家から飛び出た。
しばらくしてキースは、街のギルドに着く
だいたいの依頼書がクエストボードから大勢の冒険者達に剥ぎ取られていく最中であり出遅れた感に落胆の色を隠せないでいた。
「出遅れちまったか・・・」
そう呟きクエストボードに近づこうと思った時
人混みに入れず、おろおろとしてるローブ姿の魔法使いがいた
(そんなんじゃクエスト取ろうと思っても不人気の下水道掃除しか残らないぞ・・・)
そんな姿をしばらく見ていたら
大勢の冒険者達は、カウンターにクエストの依頼を受けに行き
クエストボードに残ったのは、下水道掃除もしくは、高ランクのクエストの依頼書のみとなった。
(あーあ言わんこっちゃない)
ローブ姿の魔法使いが、下水道掃除の依頼書の一枚を受注しに行くのをキースは、見届ける
(あ・・・・・・俺のぶんのクエストなくね?)
結局キースもしぶしぶクエストボードから下水道掃除の依頼書を手にカウンターに向かうのであった。
下水道掃除
それは、ギルドの仕事の中で最も人気の無い仕事の一つで基本戦闘などは、無い
しかし雨が降ったりすると下水道の通路が水浸しの汚物まみれになるので掃除したりして
何か異常があればギルドを通して街の整備を行う役所に連絡したりと言うのも冒険者の仕事なのである。
仕事をする上で必用なマスク・デッキブラシ・マジックランタン等の装備が支給され下水道に潜る。
(臭ぇし汚ねえしさっさとおわらせるか。)
自分の割り当てられた区画をしばらくデッキブラシで擦り作業用通路を綺麗にしていく。
(あらかた終わったな)
そう思い下水道の交差地点まで出た
ブーーーン
なんの音かと思って交差地点で見回し音の方向を確かめる
(右かっ!)
何かモンスターが下水道に住み着いていたならそれを駆除するのもこの仕事の一つ
キースは、駆け足で音の方向に走った
距離にして500メートル緩く登り曲がった先に見覚えがあるローブ姿の魔法使いが1.5メートルの黒光りするGと戦っていた。
「大丈夫か!?助太刀するぞ!」
そうキースが魔法使いの前に出て長剣を振るいキースの一太刀は、Gの触角を2本切り落とした
その時ローブ姿の魔法使いの呪文詠唱が聞こえた、
「火の精よ彼の物を焼き払え!!」
(えっマジですか?)
後ろの魔法使いは、火の上級魔法を放ち
Gは、発火した
キースは、この手の修羅場を何度か切り抜けた事があり姿勢を低くくし酸欠を防いだが魔法使いは、その場に倒れこんだ。
1時間後キースと魔法使いは、下水道の出口を出て救護所に居た。
「助けて頂きありがとうございました」
「どういたしまして・・・ってか狭い地下空間で上級の火魔法なんて使うから酸欠で倒れるはめになったんだけど
軽く死ぬかと思ったんだけど!?」
「すいません!なにせ混乱してましたので」
「狭い空間では、他の攻撃魔法を使うようにね!」
「以後気を付けます」
キースと魔法使いは、二人で話していると救護所の入り口からギルドの職員が現れた
「今回のクエストお疲れ様です、結果と報酬ですが・・・
まずキースさん
掃除のエリア8割掃除済みでしたが途中で終わってしまってたため未達成です、異常種Gの触角を納品されましたがそれは、異常を研究している研究所が買い取りましたしかし、この度下水道火災がありましたので下水道の修繕費として徴収いたします。」
「いや、ちょっと待てこの火災の原因は、俺じゃなく彼女だろ!!」
「この度のクエストで彼女は、儲けを出していません。
ギルドカードも見せて頂きましたが今回の修繕費を支払う能力は、彼女には、ございませんでした。
私どもとしましては、身体を売って支払って頂いても構わないのですが・・・」
「ちっ・・・わーったよ今回は、タダ働きか~クソ~」
「えっ?助けて頂けるのですか?」
「何だかんだ上級魔法を使える魔法使いは、希少だからな、ここで恩を売っとくのもわるくねーなってな。
俺は、キース・ロックお前は?」
「エリカ・イリスです。」
「貸し1な?おぼえといてな?」
そうキースは、言うと救護所の椅子から立ち上がり救護所を出ていった。