みわちゃんがおしえてくれたこと
みわちゃんはぼくのいもうと
病気でねたきりなんだ
学校にもあんまり行っていないし
お話もできない
だけどちっともかわいそうなんかじゃないんだよ
みわちゃんにはできることがいっぱいあるから
みわちゃんはぼくと目があうと
ちょっとだけわらったようなかおになる
ぼくもまねしてちょっとだけわらう
それだけのことなのに
なんだかちょっとたのしくなる
みわちゃんはきっと目でお話ができるんだ
みわちゃんはいつも空をみている。
ベッドのよこの大きなまどから。
青い空に白い雲が
きもちよさそうにうかんでいるのを。
どんよりした灰色のくもり空を。
雨や雪がふってくる空を。
おかあさんがときどきまどをあけると、みわちゃんは鼻をひくひくさせる。
何のにおいがするのかな。
風がふくと、みわちゃんは手足をばたばたさせて、
からだぜんぶで風とお話するんだ。
みわちゃんとぼく
できることがちがう
ぼくはじぶんができることをかんがえる
ぼくができること
走ったり歩いたりすること
じぶんでごはんをたべること
大きな声で歌を歌うこと
みわちゃんができること
それはとってもすてき
ぼくができること
それだってとってもすてき
いやなことがあると
ぼくはじぶんのできることをかぞえてみる
ひとつひとつかぞえながらやってみる
そしたらすこし元気になるんだ。
ぼくにもできることがいっぱいある
みわちゃんがぼくにそっとおしえてくれたこと