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氷砂糖  作者: 秋名
1/1

出会い?

初投稿になります。お気軽に読んでください♪

܀܀冷たくないのに何故、氷と呼ぶのか。

܀܀自然に溶けないのに何故、氷と呼ぶのか。




܀܀今年の春は例年よりも少し冷えるようだ。

܀܀太陽は顔を出し、日の光は窓を通り屈折して部屋の床を照らしている。それでも部屋の中の空気は少しひんやりとして、春から冬に戻ったのでは無いかと思うほどだった。


「さ、さむい」

܀܀朝になりなんとなく意識が戻って来るなか布団の中にうずくまる事10分。

「やべ…。ゴミ出し忘れた」

܀܀気が付けば時刻は8時30分。ゴミ収集車が到着する予定時間。

܀܀仕方なしに部屋の片隅に寄せていたゴミを見ながら半身を起き上がらせ、ひとつ大きくあくびをした。

「寝坊助にーちゃん!」

「うわっ!」

܀܀不意をつき声を掛けてきたのは俺の妹の小春(こはる)。中学3年で成績優秀、運動そこそこ、身長154㎝体重 (自己自重)黒髪ロングで趣味は風景スケッチと料理、そして何より兄の面倒見が良い!と、ここまで細かく自分の妹を説明する俺も俺なんだが。

܀܀さてここらで俺自身の紹介も入れておこう。俺の名前は平井鉄平(ひらいてっぺい)。この春から高校1年生になる。

「明日から高校生活スタートだよ~?この時間に起きてちゃ間に合わないよ?」

「いいんだよ、ギリギリでも間に合うから」

܀܀俺が明日から通う学校は自宅アパートから目の前の5メートルの横断歩道を渡り少し左を行けば着く高校。つまりホームルームが始まる8時40分に着くには最悪8時30分に目を覚ましても遅刻は回避することが出来る。最高の位置条件である。

「もうほら、朝ごはん出来たよ~」

「サンキューな」

܀܀こうやって朝起きれば朝食が整えられている。素晴らしい限りだ。



܀܀時刻は17時過ぎ、夕暮れの太陽がゆっくりと沈んでいく。鉄平は明日に備えて近くのスーパーまで来ていた。そこには食料品以外にも一般的生活用品も数多く取り揃えられていて近所の住民にはとても助かるスーパーである。

「シャーペンの芯、芯、芯…」

「「あった」」

܀܀声が重なった。鉄平ともう一人は少しか細い女性の声だった。

「あ、すいません」

܀܀鉄平は謝ると同時に横を見た。

「いえいえこちらこそ!す、すいませんっ」

܀܀その女性は口早に言い、鉄平が横を向いたときには深々と頭を下げていて、鉄平が大丈夫と声を掛ける隙もなくそのまま少女は振り返り茶染めの長い髪を揺らしながら小走りで走っていってしまった。

܀܀鉄平は目的物を買いスーパーを出て家までの道を歩きながら、少しか細いあの声を思い返していた。



「かわいい声だったな~」

「何が?」

܀܀夕食時無意識にボソッと呟いた鉄平に小春がくいつく。

「いや、なんでもない」

「そう?変なおにーちゃん」

܀܀明日から新しい生活、中学とは全く別の生活だと思っていた鉄平は高校をかなり楽しみにしていた。しかし前夜の今、考えているのは夕方に聞いたあの声。きちんとした顔、容姿を見たわけではないのにどうにも気になってしまっていた。そんな中夕食を終え眠りに就くまであの声の女性の事を考えていた。

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