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Lady(仮)  作者: 判じ者
1/1

夢の中で 

 「よいツォっと」

 人形が、椅子に座る。

 気がついたら、周りは小洒落た喫茶店になっていた。

 「あなたは誰?」

 問いかけると、返って来たのは

 「マツヒコでツ」

 というとぼけた答え。

 「そうじゃなくて……」

 「まあ、(ツわ)って」

 「は、はい」

 私は人形の向かいの席に座る。

 「………ふむ」

 「………」

 ここは一体、どこなんだろうか

 もしかして、夢なんじゃないだろうか。

 そうだ、夢だ。

 エイブに殺されたのだって、そもそもドーラに裏切られたのも、全部、全部夢だったんだ。

 頭の片隅で、いつもそう、思っていたじゃないか。

 そうであってくれと

 ただの小娘だった私に、こんな展開はあり得ない。

 そう、理解していたじゃないか。

 「…………………あははははは……」

 「夢じゃないです」

 「……………は?」

 「今の、この場所は確かに夢です。だけど、あなたが親友に裏切られて親友の恋人に殺されたことは、すべて現実です」

 

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