28
王都守備隊三番隊宿舎。
「エルロック。久しぶりだな。お前が守備隊に何の用だ」
「…頼みがあるんだよ」
「頼みぃ?」
ガラハドは朝から訓練所で、隊員の訓練を見守っている。
「なんだ?」
「訓練用のレイピアを貸してくれ。一日でいいから」
「お前、自分で持ってるだろ?わざわざローランまで買い付けに行ったやつ」
ローラン。ラングリオンでも有数の名工が揃う鍛冶屋の街。
「リリーに壊されたんだよ」
「リリーシアに?それなら買えば良いだろ」
「買うわけにもいかない」
「なんでだよ?」
「リリーが作るって言うから」
ガラハドは快活に笑う。
「いやぁ、惚れた女には弱いな、エルロック」
「うるさいな。だから、借りに来たんだよ」
「持ち出しは禁止だ。使いたいなら、うちの隊員と遊んでいけ」
「なんで守備隊の相手なんてしないといけないんだ」
「良いだろ?俺とお前の仲じゃないか」
「しばかれた覚えしかないぞ」
「本当に、悪餓鬼だったからなぁ」
思い出したくない。
「午前中だけなら付き合うよ」
訓練所の脇にある武具収納庫へ向かう。
「隊長、エルロックって魔法使いの?」
「あぁ」
「なんでレイピアなんて使うんですかね?」
「さぁな」
詮索しないところが、ガラハドらしい。
右、左。ちがうな、予測可能な動きをしていれば、すぐに捕らえられる。ここは、振り上げる腕の動きをしつつ、薙ぎ払ったら良いかな。
突剣と言っても、フルーレと違ってレイピアには両刃がついているから、攻撃の種類が多彩だ。
もちろん、細身の剣だから、大剣と真っ向勝負なんてしたら、リリーがやったように破壊される可能性があるけれど。
そして、レイピアのガードの装飾は、相手の剣を絡め取るのに向いている。
それが、この剣の面白いところだ。
「…なんだよ、もうおしまいか?有翼の三番隊の名が、聞いてあきれるぜ」
「お前魔法使いだろ?」
「なんでそんなに強いんだよ」
「ばーか。俺が本格的に魔法使うようになったのは二年前だぜ」
それまでにレイピアの基礎は鍛えている。護身用だけど。
「隊長、聞いてないっすよ」
ガラハドは笑う。
「心配するな。お前らが相手にしてるのは魔法剣士だ。十分戦えていたぞ」
やっぱり、魔法を使っていること、ガラハドにはばれているか。
「俺が本気で魔法使ってたら、こんなもんじゃすまないぜ」
空を見上げると、太陽が高い位置にある。そろそろ昼かな。
「エル!」
「リリー」
訓練所の入り口にリリーが居る。
「こんにちは、隊長さん」
「あぁ。こんにちは。その剣は、エルロックのか?」
「はい」
「もうできたのか?」
リリーの傍に行って、真新しい鞘に収まるレイピアを受け取る。
「うん。…使ってみて。自信はあるけど、使い心地が悪かったら、また作り直すから」
鞘を腰につけて、剣を抜く。
「軽い」
昨日、鍛冶屋で持ったやつとは大違いだ。
強度はどうかな。
「よし。リリー、相手してくれ」
「え?」
「それでいいよ」
リュヌリアンを指す。
「危ないよ」
「危なくなったら魔法を使うから平気だ」
砂時計を出して、ガラハドに渡す。
「ガラハド、時間計ってくれ。体力が持たないから、タイムリミットは、この砂時計が落ちるまで」
「…当てるよ」
「かかってこい」
訓練場の中央部へ行き、構える。
リリーもリュヌリアンを抜く。
…冷や汗が出る。リュヌリアンは、思った以上の迫力だ。あんまり対峙したくない相手だな。
「はじめっ!」
ガラハドの声と同時に、リリーが飛ぶ。
振り下ろされた剣に対し、左手をレイピアに添えて受け止める。
手が、しびれる。
「!」
意外だったのだろう。リリーが驚いた表情で俺を見る。
「良い剣だ」
なんて強度なんだ。大剣を受け止められるレイピアなんて。
「良かった」
リリーは目を細める。
こんなに軽くて丈夫な剣を作るなんて、天才じゃないのか?
リリーは、一歩下がって剣を振り上げる。
それを受け流して一歩引く。
追いかけて繰り出される剣撃をレイピアで受け止めつつ、その力を流し、剣先を誘導する。
リリーの力を込めた一撃を避けて、リリーの左へ。
追いかけて来た剣の先をレイピアで突いて、風の魔法で大きく下がる。
方向を修正されたリリーの剣が、一歩遅れて、俺が居た場所を斬る。
これって。
リリーが風の魔法を計算に入れて攻撃しているのは明らかだ。
続けて、リリーが踏み込んで剣を伸ばす。
早い。けれど。
伸びてきた剣を、レイピアのガードで絡め取って、地面にたたきつける。
流石に、この大きさの剣だと、ほとんど掴めない。
リリーの剣は地面にたたきつけられることなく持ち直し、俺の胴体を狙う。
闇の魔法で影を作って、風の魔法でリリーの左に飛ぶ。
「え?」
おそらく、斬ったような感覚に陥っただろう。今のは残像だ。
「よそ見するなよ」
「!」
耳元でそう言って耳を舐めると、リリーの背後に回る。
リリーは剣を振り回して振り返ったが、対象を定めない攻撃は空を切る。
一歩、二歩。攻撃を繰り出しながら進むリリーに合わせて、後退する。
攻撃が重い。疲れてきた。
振り下ろされた攻撃を避けて、リリーの上を飛ぶ。
振り上げられた剣にレイピアを当てて、反動を利用して、更に飛び、着地。
「そこまで!」
良かった。これ以上戦ってたら、体力がやばかった。
レイピアを鞘にしまって、リリーに手を差し伸べる。
「ありがとう。リリー」
リリーが握手に応じる。
「エルは強い。リュヌリアンでも勝てないなんて」
「勝たせるつもり、ないからな」
「明後日までに、もっと強くなるよ」
周囲で拍手が起きる。
「ガラハド」
リリーとガラハドの傍まで行く。
「面白いもの見せてもらったな」
そう言って、ガラハドが投げた砂時計を受け取る。
「隊長さん。私、もっと強くなりたい」
「あぁ、鍛えてやるよ」
「…は?」
ちょっと待て。
「私、どうしてもエルに勝たなければいけないの」
「なら、俺がこいつに勝てるように鍛えてやる」
「待てよ、おっさん。余計なことすんな」
「何だ?悪餓鬼小僧が。困ることでもあるのか?」
「ある」
「ほぅ。残念ながら、俺にはない。それじゃあ、リリーシア。俺が稽古をつけてやる」
「はい!」
それ以上強くなって、どうするんだよ…。
「リリー、稽古は後だ」
「え?」
「昼が先」
「あ、そっか。隊長さん、午後に来ますね」
「おぅ、待ってるぞ」
リリーの手を引いて、訓練場を出る。
何食べようかな。
「どこ行きたい?」
「どこでもいいよ」
普段は…。
あれ?ラングリオンに来てから、リリーと出かけてない?
レイピア探しに付き合ってもらったぐらいか?
どこに連れて行こう。
「今はベリエか…」
あそこに行ってみるか。
「エル?」
「行きたいところがある。サンドイッチでも買っていこう」
「うん」
昼時で賑わう市場にある、馴染みのサンドイッチ屋に行く。
「おや、エルロックに、この前のお嬢ちゃん」
「こんにちは」
「来たことあるのか?」
「ほら、キャロルとお菓子の材料を買いに行った日。お昼はここで買って行ったんだよ」
「あぁ…。そうだったな」
店員が斬り込みを入れたバケットに、野菜とローストしたハムを挟んでソースをかける。
「ほらよ。いつものでいいんだろ?」
「あぁ。リリーは?」
「えっと…」
「嫌いなものがなければ適当に作るぜ」
「はい」
「どこにピクニックに行くんだ?」
「近所だよ」
「グラム湖まで?」
王都の近郊にある湖。王都からは日帰りで行ける距離だ。
王都の生命線であるシレーヌ河がそそぐ広い湖で、ラングリオンの初代国王が神から啓示を受けた場所であり、ラングリオン王国にとっての聖地だ。
光と水の精霊が愛する場所で、湖の脇に光の洞窟がある。
「行かないよ。暇じゃないんだ」
「早く行かないと、もう散る頃だぜ」
「まだ散ってないのか」
良かった。それなら、あそこも散ってないだろう。
「昨日の休みは、皆、花見だ。ほらよ」
「…花見?」
リリーが首を傾げる。
「行くぞ、リリー」
リリーの手を引いて、広場へ。
ドリンクワゴンでオランジュエードを二つ買う。
「どこに行くの?」
「リリー、北はどっちだ?」
「えっ?」
リリーがきょろきょろした後、城の方を指さす。
「正解」
「いくらなんでも、わかるよ!」
あぁ、可愛い。
「これから行くところだよ」
「えっ?」
城へ続く橋の先には、軍隊も通れる大きな城門。
その門を守っているのは、大きな槍を持った二人の門番。
「エルロック様。今日はどのような御用で?」
「ピクニックだよ」
門番が笑う。
「そうでしたか。どうぞ。まだ見頃ですよ」
「…あの、エル、」
「ん?」
「お城って簡単に入れるの?」
「庭ぐらいなら、誰でも入れるよ」
「そうなの?」
門をくぐって、東側に続く道を歩く。
「休日は一般に開放されてる」
「今日は平日だよ」
「そうだったかな」
ベリエの十七日だから、平日に決まってるけど。
城の中に入るわけじゃないから良いだろう。
リリーの手を引いて、庭園へ。
「ほら」
「わぁ…」
まだまだ見頃とはいえ。来るのが遅かったな。
「あれ、何ていう木?」
「桜だよ」
「初めて見る」
「綺麗だろ。…ベリエの、ほんの短い間にしか咲かないんだ」
「そうなの?」
「ラングリオンに着いてすぐ来れば良かったな。きっと満開だったのに」
リリーをほっといた罰かな。
「十分綺麗だよ」
「来年はグラム湖に桜を見に行こう。満開になったら、ここよりずっと綺麗だ」
「うん」
牡丹の花を小さくしたような、桃色の花。
一斉に花が咲き乱れると、今よりも一面が、春の色になるだろう。
「あっちにベンチがあるから、そこで食べよう」
リリーを連れてベンチに座る。
桜と、城のバルコニーが見える。
「エルは桜が好きなの?」
「そうだな…。時期が難しいからな。桜を見ると春が来たって思うよ」
「好きか聞いてるのに」
「好きだよ」
リリーの頬にキスをする。
「あ、の…」
あぁ、本当に可愛い。
「エル!」
声が聞こえて、上を見上げる。
「アレク」
バルコニーの上に金髪碧眼の青年が居る。
あの瞳。
右側は、良く見れば菫なんだけど。
見る度に思い出してしまう、少し懐かしい色。
「久しぶりじゃないか。何やってるんだい」
「見て分かんないのかよ」
「上においで」
「デートの邪魔をするな」
「それは悪かったね。…じゃあ、下に行こうか」
「忙しいんだろ」
「羽ペンは届いたよ」
「次はなんだ?」
「そうだね。琥珀なんてどうだい」
琥珀は。セルメアの名産品だ。
もう、次に俺がどこに行くか知ってるのか。
「琥珀ぐらい、ラングリオンでも買えるだろう」
「マーメイドの鱗と呼ばれる琥珀があるらしいよ」
宝石は専門外だ。
「リリー、知ってるか?」
「え?…うん。石の中にひびがある琥珀のことだよ。中のひびが光を受けて輝くんだ。…前に、グラン・リューのところで見た化石もそう。化石になる過程で入る特別なひび。外部から加わった力では決してできない煌めきだから、とても貴重な琥珀だよ」
貴重な石って。簡単に手に入るかな。
「博識だね、リリーシア」
「え?」
「それでブローチでも作ろうと思ってるんだ」
「わかったよ。探してくる」
「ありがとう。それじゃあ、ごゆっくり」
アレクは手を振って去る。
「今の、誰?」
「知り合い」
「お城の中にも知り合いがいるの?」
そうだな…。
「魔法部隊の駐屯所は、あの塔だ」
西側にある塔を指さす。
「そうなんだ。…今の人、なんだかエルに似てるね」
「似てる?」
「うん。なんでかな」
リリーは首を傾げる。
リリーの勘はいつも的確だ。
『話しを聞かないところじゃない?』
「あぁ、そうかも」
そう言ってリリーが笑う。
「何て名前の人なの?」
「アレクシス」
『えっ』
イリスは知ってるか。
リリーは、気づいてないみたいだな。
「言うなよ、イリス」
「イリス、知ってるの?」
『黙秘するよ』
バニラみたいな言い方だな。
あれは、フラーダリーの弟だ。
※
リリーを訓練場に送った後。
「制服はどうした」
「持ってるわけないだろ。訓練に参加したこともないのに」
「持ってくる」
「待てよ、要らない」
取りに行こうとするレティシアを止める。
「訓練に参加するのだろう?」
「参加するっていうか…」
「なんだ。歯切れが悪いな」
「魔法練習所を借りたい」
魔法部隊が所有する、地下の練習所。
多くの反魔法素材が埋め込まれていて、たいていの魔法を無効化する空間。
「お前の魔法は強すぎる」
「炎の魔法は使わないよ」
「それなら許可しよう」
レティシアから鍵を受け取る。
「それと、三日後にまた出発する」
明後日の、リリーとの勝負が終わった次の日。
「…仕方ない奴だな」
あれ。怒ると思っていたのに。
「なんだ」
「今回は怒らないんだな」
「怒ってほしいのか?」
「そういうわけじゃない」
「陛下もお前には甘い。余程のことをしない限り、自由にさせよ、と仰せだ」
「一回しか会ったことないけど」
「殺されないだけ感謝しろ」
「殺しても構わなかったのに」
「本気で言ってるのか」
「…冗談だよ」
あの時は死にたいと思ったけど。
今でも、なんで自分が生きているのか、許されているのかわからない。
すべて陛下の一存。
全く、温厚な人だ。
「で?今度はどこへ行くんだ?」
「ラ・セルメア共和国」
レティシアの顔が、あからさまに引きつる。
「聞き違いか?」
「いや、たぶん聞き間違えじゃないぜ」
「愚か者!前言撤回だ。出発は許可しない!」
「言ってることが違うぞ」
「撤回しただろう!死ににいくつもりか!」
「あー、もう、練習所借りるからな!」
「待て!エルロック!」
走って部屋を出る。
やっぱり怒るよなぁ…。
「あれ、エルロックさん。とうとう訓練に参加する気になったんですか?」
「ええと、ユベールだっけ?」
魔法部隊の予備隊の制服だ。
「はい。覚えていていただいて光栄です」
「練習に付き合え」
「え?」
「ちょっと複雑な魔法をやりたいんだ」
「はい!是非!」
ユベールを連れて、魔法練習所へ向かう。
「お前たち、出ておけよ」
『了解』
『了解』
『はぁい』
『それじゃあ、後でねー』
『え?どういうこと?』
エイダは居ないみたいだな。
『ナターシャ、行くぞ。この空間は、私たちには息苦しい』
『そうなの?』
当然だ。反属性、と呼ばれる素材で囲われた空間。
その原理は、古代、魔法使いや錬金術師が精霊を捕まえる為に作った箱に由来する。
魔法練習所に入って扉を閉める。
さまざまな鉱石が埋め込まれた空間。その一つ一つが、精霊の力に対抗するための無機物。
「エルロックさんって、たくさん精霊を従えているんですよね?」
「あぁ。多い方だな」
「どうしたらそんなに契約できるんですか?」
「成り行きかな」
「成り行き?」
メラニーは、マリーと一緒に光の洞窟で契約した精霊だし、ユールは実験をやっていたら出てきた精霊だ。
エイダとジオは砂漠で契約して、バニラはフラーダリーと別れてついて来た。
ナターシャは、オペクァエル山脈で出会ったばかり。
「羨ましいです。僕なんて、炎の精霊と契約するのにもすごく苦労して。今でも魔法を上手く使いこなせないです」
「ちゃんと精霊と会話してるか?」
「会話?」
「あぁ。精霊っていうのは人間が好きなものだ。契約できたなら、その精霊はお前のことが好きなんだよ。大切にすれば、その気持ちが力となって帰ってくる」
「そう、ですか?」
「そうだよ。それに、精霊を多く従えてるからって、強いわけじゃない」
「何故ですか?」
「魔法っていうのは、精霊との絆の力だ。繋がりが強ければ強いほど、より強く、より大きな力が引き出せる。一人の精霊とまっすぐ向き合うだけで十分強くなれるよ」
フラーダリーがそうだった。
俺は、バニラの本来の力の半分も引き出せていないだろう。
「エルロックさんは強いです」
「俺は強くなんてないよ。精霊と一緒に居るのだって、弱いからだ。一人じゃ何もできないから、誰かと一緒に居たいと思う」
何度失っても、誰かと一緒に居たいと思ってしまう。
たとえ、自分と居ることで相手が不幸になったとしても。
自分が弱いのは誰よりも知ってる。
「かっこいいです!」
「…え?」
「僕、やっぱりエルロックさんみたいになりたい」
今の話の流れの、一体どこでそう思うんだ?
「やめてくれ」
「何故ですか?」
「変なことを吹き込んだ、って俺がレティシアに怒られる」
ユベールは笑う。
「隊長と仲が良いですよね」
「そう見えるのか」
「はい。隊長はエルロックさんを信頼してます」
「信頼には応えてないけどな」
魔法部隊のことを考えるなら、王都から離れない。
「エルロックさんの、自由なところが良いって言ってましたよ」
「レティシアが?」
「はい」
思ってもいないことを。
「ユベールは、強くなって魔法部隊を支えるのか?」
「はい、もちろんです。今は、風当たりが強いですが、いつか守備隊にも負けないぐらい、王都の皆に頼られる存在にしてみせます」
「それは心強いな。…頼むよ、レティシアのこと」
「え?」
「あいつは、一人でいようとするから。お前が強くなって、支えてやれ」
「…はい!頑張ります!」
「それじゃあ、始めるか」
レイピアを出す。
「えっ、魔法じゃないんですか?」
「魔法だよ」
※
「だめだよ、エル」
「それしか言わないな」
だめって言っても、抵抗しないのに。
「恥ずかしいよ」
「恥ずかしがっていいよ」
もう、何を言われてもやめないから。
「だからっ…」
「可愛い」
耳にキスする。
「今度は、戦ってる時にキスなんてしないで」
「なんで?」
「だって…」
「集中が途切れる?」
「うん」
「じゃあ、負けそうになったらキスすればいいか」
「だめ、」
本当に、だめしか言わないな。
「やめてほしい?」
「やめないで」
どうして、こんなに可愛いんだろう。
やめられるわけなんてない。
リリー。
愛しくて愛しくてたまらない。




