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失われた青春

作者: 千歳

税金を納めていない人は日本国民とみなさない、とは六法全書のどこにも書かれていないし、「納税の義務」はあっても罰則規定はありません。憲法は法の精神をうたっているにとどまるからです。納税者が非納税者を虐待して楽しむとは、この国はどうなっているのでしょうか? ニート、無職、メンヘラーとはようするに税金問題なのです。みなさんにもこのことを考えていただきたいと思います。

 僕の世界は終わった。そう、何かが終わったのだ。

 虫たちの声が聞こえる。僕は大事な人たちを裏切り者として拒絶した。だから彼女たちは僕の世界からいなくなった。

 空腹。持ち金と食料が部屋からどんどん減っていく。いつまで持ちこたえられるのだろう。

 古代世界をこの世に復活しようとしたり、青い太陽の惑星を地球に呼んでみたりしたことが、政府によって罰せられた。僕はただ一人餓死するのを待つだけだ。

「時間が全てを解決するなんて嘘だね」と、天使は悲しそうに言った。

「そうだね。この国は古代に帰ろうとしてるけど、政府がそれを認識するまで、時間がかかりそうだね。僕は税金を収めていないから、政府が僕を許すことはありえない」

「死んじゃうよ? 頭を使って生き残る方法を考えよう」

「だって税金でしょ。税金を納めない人間はしょせん奴隷なんだ。もう十五年間奴隷なんだ。苦しかった。恋をしても引き離されるし、引き離した恋人を納税者たちがレイプする。その上みんなが僕をゴミ扱いするって、何なんだよ」

「わたしもう限界。政府のやり方には反対だけど、あなたの性格にも問題があると思う。人に合わせるとか、こらえ性を持つとかさぁ……」

「もう、いい」僕はにやりと笑った。「ていうかさ、十五歳のころからなぜか恋愛禁止だったんだ。意味はわからない。税金問題のはずなのにね。十五歳だなんて。……消えていいよ、天使さん。僕はこのまま死ぬ。僕の世界から君も消す。じゃあね。楽しかった」

「ふざけないで!」天使は初めて感じた激しい憤りをどうしたらいいのかわからなかった。 

税金を徴収する義務を果たしていない税務署にも問題があると思います。

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