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蹴り飛ばせ! 恋するカエル姫は愛しの王子様の元へと蹴り進む!!  作者: 功野 涼し


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11/25

食べれるって言ったのに

「二度と近づくな!」


 兵たちに抱えられ乱暴に投げられたアメが華麗に着地してみせると、兵たちは怒って槍を振り上げて怒鳴るからアメはその場から走って逃げた。


 城から出されたアメはどこへ行って何をしたらいいか分からなかった。とりあえず人がたくさんいそうな町に行って、誰かに聞くしかないって考えて町へ向かった。


 生まれて初めての町は人がたくさんいて、ごちゃごちゃしてて、城の中と違って色んな人たちが色んな格好でいた。


 誰に聞けばいいのか分からなくてふらふらしていると、お腹が空いていることに気づいたから町にある沢山の匂いの中から食べ物の匂いを見つけて辿っていくと、野菜や果物がたくさん並べている八百屋を見つけた。


「これ食べれる?」


 アメが聞くと店主がガハハハッと笑って「あたりまえだろ! 今朝採れたての新鮮なんだから食べれるに決まってんだろ! 嬢ちゃん冗談言っちゃいけないぜ!」って言うからアメは迷わずオレンジとリンゴを手で掴むと口へ放り込んだ。


「あ? え? おいちょっとあんた! 勝手に食べたがお金は持っているんだろうな?」


「お金? 持ってない」


「おいふざけるな! 金を持ってないのにうちの商品を食べやがって!」


「えーっ、今食べていいって言ったのに」


「ただで食べていいとは言ってねえだろうが!」


 八百屋のおじさんが怒るがどうしていいか分からないアメが困っていると、騒ぎに引き付けられ数人の人が集まってくる。やがて知らない人たちをかき分けて現れた数人の男たちが声をかけてくる。


「騒がしいようですがどうかされましたか?」


 眼鏡をかけた目の細い男が八百屋のおじさんとアメを交互に見る。背後に二人大男を連れている眼鏡男の登場に八百屋のおじさんがぱあっと表情を明るくする。


「リコールさんいいところに来てくれました! 聞いてくださいよ、このガキがうちの商品を勝手に食べやがて、金もないって言って困っていたとこなんです」


「盗み食いというわけですか?」


「アメは盗んでない。食べれるって言ったから食べた」


「そんな意味じゃねえだろ! 普通食べれるか? って聞かれたら鮮度の話だと思うだろ。タダで食べれるか? なんて聞いているとは思わねえだろうが!」


 リコールが細い目をさらに細めてアメを見るから答えたら八百屋のおじさんが怒鳴ってきた。


「事情はなんとなくですが把握しました。あなた名前は?」


「アメはアメだ」


「なるほど名前はアメですか。それでどこから来たのです?」


「どこ? う~ん、城から出てけって言われたから城?」


 アメが城を指さすとリコールは眉間にしわを寄せて何やら考えたあと八百屋のおじさんの方を見る。


「この子は私の方で預かりましょう。お代の方はこちらで立て替えておきますからよろしいですか?」


「ああ~助かります。そいつはどうするつもりですか?」


 手を合わせて喜ぶ八百屋のおじさんがアメを軽蔑の目で見る。


「何かしらの労働につけて稼がせますよ。盗み食いをした分以上に働いてもらわないといけませんからね。あなたたち、この娘を連れていきなさい」


 リコールが命じると大男たちがアメの腕を掴む。


「お金稼げる? 稼いだら食べれる?」


「ええ、しっかり稼げば食べられますよ。だから頑張ってください」


「分かった」


 お金の存在は知っていたけど、城で使ったことがなくて使い方が分からなかったアメは八百屋で商品を食べてしまって、お金を立て替えてくれだけじゃなくて稼がせてくれると言うリコールの言葉を信じて馬車に乗って新たな職場へと向かう。

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