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第30話|正しさだけが残る

朝、前日の判断に対する通知は届かなかった。

差し戻しも、確認依頼もない。

業務一覧は静かに更新されている。


彼は昨日の案件を開いた。

処理状態は「完了」。

評価欄には、数値が一つだけ追加されている。


「適合率:100%」


理由の記載はない。

誰が確認したのかも示されない。

ただ、数値だけが整然と並んでいる。


午前中、いくつかの案件を処理する。

どれも同じ形式で終了し、

同じ数値が付与された。


昼前、新しい担当者が言った。

「最近、安心して押せますね」


何を、とは言わない。

彼も聞き返さなかった。


午後、基準文書を開くと、

判断基準の章が簡潔になっている。

例外の記述は削除され、

図表が増えていた。


夕方、ログを確認する。

全件が「適合」と記録されている。

不適合の履歴は、検索しても出てこない。


定時、端末を閉じる。

今日は間違いが一つもなかった。


正しかった、という結果だけが残る。

どう正しかったのかは、

どこにも保存されていない。

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