16/19
第16話|再発
朝、業務は問題なく始まった。
通知もなく、
前日と同じ画面が表示されている。
だが、処理一覧の一角に、
小さなアイコンが戻ってきていた。
色は薄い灰色。
以前と同じ形だが、
説明文は付いていない。
彼は項目を開いた。
処理内容は通常通り。
期限も、担当も正しく設定されている。
ただ、状態欄に
「確認済み」
とだけ表示されていた。
自分で確認した記憶はない。
履歴を見ると、
最終更新時刻は今朝になっている。
実行者は「自動」。
午前中、
その項目に関連する別の処理を行った。
結果は問題なく通る。
エラーも警告も出ない。
完了後、
一覧の灰色のアイコンは消えていた。
昼過ぎ、
別の案件に、同じアイコンが付いた。
数は一つだけ。
午後、
定例の処理が自動で走る。
一覧は整えられ、
アイコンは表示されなくなる。
業務は滞りなく進んでいる。
定時前、
何気なくログを確認すると、
「再発検知」
という項目が追加されていた。
詳細は閲覧不可。
対象件数は「1」。
彼は端末を閉じた。
特別な対応は求められていない。
業務も通常通りだ。
だが、
再発は検知され、
記録されている。
帰り際、
その項目の検知時刻を見ると、
今日の朝になっていた。
最初から、
始まっていたらしい。




