目次 次へ 1/18 第1話|通知は開かれなかった 朝、通知音が鳴ったが、内容を開かずに端末を伏せた。 確認すれば何かを決めなければならない気がした。 窓の外では、昨日と同じ道を同じ人が歩いている。 特に急ぐ理由はなく、遅れる理由もない。 保留されたままの案件は、机の隅で紙の厚みを増していた。 昼になり、湯を沸かし、カップを選び、また何も決めなかった。 返信を待つ誰かの存在を思い出しながら、画面には触れないままにする。 それでも一日は、問題なく進行しているように見えた。