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9話 白い花

 災いは消えると同時に預言書の預言は消え、空白になった。ノーマンは今、なぜここに立っているのか覚えていなかった。誰かに会った気がしたが、何も思い出せなかった。空白になった預言書は図書館のあの本棚に戻っていた。


 学院長は、神隠しのように消息不明とされ、領主によって新しい学院長はノーマン・ブランドと指名された。


 新しい学院長になったノーマン・ブランドは理不尽な扱いによって、学びの権利を奪われ、命を絶った少女のことを忘れることがないよう、学院の入り口の広間に、「学びは 全ての人に平等である事を 誓う」と書かれた本を持つ天使になった少女の像を立てた。


 少女の両親と本屋の店主は許された。両親は学院の職員として働き口が与えられ、本屋の店主は自分の店に戻った。店の戸を開くと、あの蕾は開いて、可憐な白い花が咲いていた。店主は「一緒に見たかったね。」というと涙が溢れた。ひとしきり泣いた後、店主は看板を作り始めた。「君の望んだ誰もが学べる街には程遠いけど、誰もが学べる本屋を開こうと思う。僕は君の意思を受け継ごうと思うよ。」。『無料の本屋、学びたい方は、どなたでもいらしてください。』と書かれた看板を店の前に置いた。看板には、あの可憐な白い花も描かれていた。「これからは、一緒に見ていこう。」と呟いて看板の花を見ていると、エルフの可愛い小さな女の子がやってきた。「おじさん。私は歴史が大好きなの。ここで歴史の本をたくさん読んで学べますか?」と店主に尋ねた。店主は笑って、「さあ、どうぞ。」と言って店内に案内すると、小さな女の子に歴史の本を選んで渡した。

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