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6話 嘆き

 その少女の死から、受験の噂が広がり始めた。学院はその噂を必死で否定し噂の出所を探し始めた。まず真っ先に少女の親族、近しい人々が疑われた。その中で最も疑わしいとして両親と本屋の店主の名が上がった。本屋の店主は何も答えなかった。否定もしなかった。そのせいで、その噂の出所は本屋の店主ということに決まった。


 「本屋がそんな噂を流したため、学院の権威、名誉は傷つけられ、そして少女もその噂を本気にして自殺してしまった。」と全てを本屋の店主のせいにした。店主はもう何も言わなかった。店主は街を混乱させたとして捕えられ、両親もまた街を追放された。店主は学院を呪った。学問は平等に機会が与えられるべきものだ、そう心の中で叫んでいた。そして混乱罪の店主は縛られたまま店から引き出された。本屋にとって、そんな屈辱はどうでもよかった。ただ平等であるべき学問が差別と偏見に満ちていることに絶望していた。


 本屋の店主が捕えられると聞き、ノーマンはいてもたってもいられず、本屋に向かった。ノーマンは事の真相を知りながらそれに立ち向かえないでいる自分の弱さに恥ながら、それでも店主を見つめていた。店主は道の脇の彼と目が合うと店主が彼に叫んだ。「学問は平等であるべきだ。」と。彼は店主の言葉に打ちのめされた。


 あの罪人とされた男の言葉が彼の耳に何度もこだました。


 そして、預言書に追加された1文のまさにあの男の嘆きの言葉を自分が聞いたのだと思った。それでも彼は自分のするべき事がわからなかった。いや、わかっていても行動に移す勇気がなかった。

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