1話 図書館
ノーマン・ブランドは5年前に、この国の王立高等学院の教師になった。整った顔に綺麗な濃い金髪。だが彼はいつも寂しげで、何かを考え込んでいた。そして、いつも一人、他の学生や教師と距離を置いて図書館で時間を過ごすのが日課だった。いつも見慣れた本棚。整然と並んだ本。科学、宗教、医学、文学、さまざまな本が並んでいた。薄暗い部屋と静寂。高い天井から差し込む日差しの筋がまるで神からの掲示のような空間。そこに学院の図書館にしては、人を拒絶しているかのような本棚があった。その一画だけは闇と言っていいほど暗く日が差し込まない。その本はどれも埃にまみれていた。その中に1冊、見覚えのある本が置かれていた。「まさか…。」。
手に取った本の埃を綺麗に払うと、やはりシュビラムによる預言書だった。その中は空白のはずだとわかっていても、本を開いた。次の瞬間、その1ページ目に預言が書かれていた。…、なぜ。鼓動が早くなるのがわかった。そんなことがあるはずがない。きっと誰かがいたずらでこの預言を、まことしやかに書いたのだろうと自分に言い聞かせた。そして、本を元の場所に戻した。だが、彼の脳裏に預言は刻み込まれた。
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導く者は この預言書を手に取り 一人の青年を探す
清らかな子の想いを拒む 学舎にもたらされる災い
天の神は 災いを鎮めることを 一人の青年に託す
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