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ORGANIC RACER  作者: 佐之 一希


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2/5

CHAPTER 2: Limit 200


南部 サーキット場にて


キュイイイイイイイイイーーーーーー

(まだいけるか)

キィィィィィンーーーダンッ!

「ちっ!」

真っ白い煙を吹いたマシンは、耳をつんざく轟音とともに、徐々にそのスピードを落としながら、サーキットの脇に停車した。ミラはマシンを降り、息を整えながら、すぐに再起動しようとすると、イヤホン越しにエデーの叫び声が聞こえた。

「お前!あれだけ言っただろ!スピードは200キロまでにしろって!」

耳からイヤホンを外し、作業を続けると後方から別のマシンの音がする。そのマシンはミラの近くで止まり、操縦していたエデーがミラの元へ歩み寄る。

「おい!いい加減にしろ!」

「…」

「てめえ!」

エデーがミラのパイロットスーツの襟を掴むと、いとも簡単にミラの身体は宙に浮いた。

「やめてよ!離して!」

「お前が俺の言うことを聞かないからだろ!」

「わかったよ!次から気をつけるから!」

「何回目だ!?人を馬鹿にするのも大概にしろ!」

ミラはこのままでは治まらないと思い、エデーから離れるために暴れていた身体を落ち着かせた。

「とりあえず離してよ、その腕、気持ち悪い」

エデーははっとして我に返り、ゆっくりとミラを地面に降ろし、ため息をついた。そして今度は落ち着いた口調で話しかける。

「いいか、100%生身の人間が、クロムライダーに乗るっていうのは、それだけで危険なんだよ」

「だから?」

「だから、わざわざ上限を200キロに設定したんだ、それ以上スピードを出すなって何回説明した?」

「それは分かってるよ」

「じゃあなんでセーブしない?」

「裸眼で200キロ出したことある?」

「…ないけど」

「メーターなんて見てる暇ないんだよ。それこそ事故る」

エデーは言い返そうとしたが、言葉が見つからず口を閉ざした。

ミラはそれを確認したあと、再び再起動のための作業を始めた。

「本当に次も出るのか?」

「……」

「もう降りたっていいんじゃないか」

「いいの、私の心配してんでしょ?」

「当たり前だろ」

「ネオグリッドグランプリで優勝するまでは絶対やめない」

エデーが口を開こうとしたとき、すでにミラはマシンにまたがっていた。

「今日あと1周するから、よろしくね」

キュイイイイイイイイ!

再び起動したマシンは、甲高い雄叫びとともに、一瞬にして目の前から消え去った。

すぐにエデーが左目に入ったクロムテック製のスキャンアイでミラを捉えると、速度は197キロをマークしていた。

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