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リリーフ・オブ・ザ・ライフ  作者: タカハシあん


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第24話 魔法

「これ、お土産です。お受け取りください」


 お互い向かい合う形で座り、ルーから箱を受け取って目の前にいるイチノスケさんに押し出した。


「わざわざありがとうございます」


「灰竜族からもご用意させていただきました。どうぞお受け取りください」


「気を使わせて申し訳ありません。ありがたくお受けします」


 って感じで一通りの挨拶を済ませた。


「まあ、固い話はこれまでにしましょう。これからは気軽にお話ししましょうよ」


 こっちとらそんな高等教育を受けたわけでもなく、中流階級の出。お上品な話し方などよー知らんわ。普通に話させろ、だ。


「わかりました。お茶を」


 イチノスケさんの言葉に女性がお茶を運んで来た。


「コーヒー?」


「によく似たカフィーというものです。初代様が好んで飲んでいたものです。苦ければ砂糖と羊乳を入れてください」


「……この世界にもあったんですね……」


 砂糖と羊乳は入れず、そのまま飲んでみると、コーヒーの味に似ていた。


「苦いけど、懐かしい味だ」


 ちょっと酸味があるものの、それはこの体だからだろう。田中さんもコーヒー好きだったんだな~。


「エクラカ殿もお好きでしたか」


「うん。毎日飲んでた。ここにないから諦めてたんだ。マルテスク王国にあったんだね」


 転生者なら見つけているだろうとは思っていたが、ルガルの町にはなく、ラウルも知らないとのことだったから諦めていたんだよな。


「初代様が南方大陸の商人から買いつけておりますので、次の荷で運んで来ましょう」


「それは助かります。言い値で買いますんで」


 これのためならいくらでも出すよ。コーヒー──カフィーがあるのとないのでは人生が変わってしまうからな。


「あ、お土産なんですけど、カメラを贈らせてもらいました。確認してもらえます?」


 びっくりして横に置いていた箱を取って中を見た。


「田中さんが持っていたカメラとは違いますが、それ一つ、と言ってもフィルムを使えば百年くらいは色あせることはありませんから」


 試しにとインスタントカメラの扱い方を教えて一枚をパシャリ。少し待つと色が出てきた。


「……凄い……」


「ぼくの力だとそれが精一杯。田中さんのカメラが残っていたら他のやり方もあるんですけどね」


 まあ、残っていても壊れてはいるだろうが、精密機械を最初から創るより直したほうが魔力の消費も少ないだろうよ。やってみないとわからんけどさ。


「そのカメラは魔力を持っている人に触ってもらった状態維持ができる。もし、魔力を持っている人を──いや、田中さんの子孫なら魔力を持っている人もいるんじゃないかな? ぼくも転生したけど、前世の力を持って生まれたからね。田中さんもそうなんじゃないかな?」


 持っているならありがたい。魔力さえあれば集めることは可能だからな。


「魔力の有無がわかるのでしょうか?」


「田中さんから学ばなかったの? ぼくたち異世界人は世界を越えたときに魔法が使える体へと改造される。そして、前世の力を持って生まれる。なら、子孫にも魔力は受け継がれているはず。まあ、血の濃さで変わってくると思うけどさ」


 あのクソ女が言っていた。「うん。今回はいい感じに体を変えられたわ~」ってな。なら、オレより前の人たちも体を変えられたはずだ。能力次第があるから絶対とは言えんけどさ?


「初代様は、この力があってもこの世界では使えないとおっしゃってました」


「やっぱりネットスパー系の能力か」


 前の世界ではよかっただろうが、世界が変われば死に能力。宝の持ち腐れ。無念に死に、別の種族に転生。田中さん、どんだけ不幸なんだか。苦労を想像しただけで泣けてくるよ……。


「まあ、特別な能力は使えなくとも魔法は使えるんじゃないかな? 魔力は鍛えたら増えるから」


 オレはレベルアップで増えたが、普通に鍛えても増えるとは言われていた。イチノスケさんたちはそれを知らなかったから魔力が小さいんだろうよ。大きいなら感じ取れたはずだからな。


「エクラカ殿にはわかるのですか?」


「強い魔力ならね。でも、ちょっと待ってね」


 今なら魔力センサーの魔法くらいなら余裕で創れるだろう。


 右手の親指と人差し指で輪を作り、魔力センサーの魔法を創った。


 輪を覗きながらイチノスケさんをサーチ。お、小さいけどあるじゃん。数値表示に改造。お、魔力5だ。


 他の人もサーチすると、5以上はない。鍛えないと退化するんだろうか?


「一応、ここにいる人にはあるかな。でも、あるだけって感じだね。十年も鍛えたら獣一匹は倒せるくらいの威力まで出せるんじゃない?」


 魔力が5もあればライターの火くらいのものは出せるんじゃないか? 


 マットレスから立ち上がり、イチノスケさんの前に立った。


「ぼくをよく見て。いや、よく感じて。今、魔力を出している」


 読んで字の如し。魔の力だ。強ければ感じ取れたりするもの。ゴブリンもそれで探していたからレベル17までアップできたのだ。


「……な、なにか揺らめくものが見えるような感じるような気がします……」


「お、イチノスケさん、才能あるっぽいね。そのまま揺らめくものに集中して。それがわかれば自分の中にある魔力にも気づけるはずだから」


 オレもこうやって師匠から魔法を教わったものだ。

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