3-2 仲間の結成
僕はエリナとエネルに向き合い、フォレスティアとの出会い、そして彼女から告げられた世界の危機について語った。
「あの時フォレスティアが言ったように、僕たちが何もしなければ、この世界は終わってしまうんだ」
周囲には夕暮れの柔らかな光が差し込んでいたが、その光はどこか悲しげで、重苦しい空気が漂っていた。
僕の言葉に、エリナは驚きを隠せず口元を押さえた。エネルは眉をひそめ、硬い表情で言葉を返す。
「そんな馬鹿な話が……けど、もしそれが本当なら、放っておくわけにはいかねぇな」
エリナもその深刻さを理解して、目を伏せながら静かに言った。
「誰もが最近の太陽の変化に気づいているわ。シンの話とも一致してる。でも、ソルディアス教団は、その異変を私たちルミナス王家の責任にして、王国を攻めてきたの」
彼女の声は、太陽の危機とともに、教団の陰謀への怒りをにじませていた。僕は深く頷き、冷静に言葉を続けた。
「もちろん、ルミナス王国のせいなんかじゃないし、誰もまだ本当の事実に気づいていない。ソルディアス教団はこの異変を都合良く利用して、自分たちの勢力の拡大に利用しているのだろうね。現実を知らないまま、人々は彼らの手の中で操られているんだ」
「そりゃ酷えな……」
エネルは腕を組んで黙考していたが、やがて大きく頷いて言った。
「つまり、俺たちがやらなきゃいけないのは、あの教団を止めることだけじゃなく、この太陽の異常も何とかするってことなんだな。分かった、どうすれば良いかは、正直微塵も分からねえが、俺も全力で力を貸すぜ、シン」
その言葉からは確かな信用が感じられた。エネルが僕たちの仲間に加わってくれたのは本当に有難い。なぜなら、これまでの僕たちにはなかった、強力な『火力』を得ることができたのだ。
「改めて、俺は、エネル・バルカンだ。歳はもうすぐ17になる。俺の家は代々魔法を組み合わせた体術を得意としてるんだ」
格闘家の家系か。それにしても、エネルの屈強な体格から、もっと年齢は上だと思っていたけど、もうすぐ17歳ってことは、僕より年下!?
「私も17歳です。シンと一緒ですね。皆、年が近くて嬉しいですね」
エリナも同い年だ。皆同じくらいの年月を生きてきたけど、その境遇は驚くほどに違いそうだと、しみじみと感じる。
「そっか、シンの兄貴、エリナの姉貴、改めてよろしくな」
エネルも何だか嬉しそうだ。僕は、兄貴って柄じゃないし、そう呼ばれるとなんだか照れ臭い。
「ああ、こちらこそ、よろしく。それと、シンで構わないよ、エネル。さて、次に僕の念話の魔法についても話しておこうと思う」
僕の能力をきちんと説明しておくことは、今後の戦いにおいて重要なポイントになるはずだ。僕は、エリナとエネルにユニマグナス家の伝統魔法について詳しく話し始めた。
3人パーティーの結成です。
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